『スター・ウォーズ』新キャラは重要な普通の人 ローズ女優と役に共通点
15日から公開された映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』では、前作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』に続いて、レイ、フィン、ポー・ダメロンたち新世代の主人公の成長と冒険が描かれる。そんな彼らの旅に加わるのが、ケリー・マリー・トラン演じるレジスタンスの整備士ローズだ。アジア系女優として初めて『スター・ウォーズ』正史の主要キャラを演じた彼女が、ローズに込められたメッセージを語った。
ローズの登場が正式に発表されたのは昨年の2月。秘密主義が貫かれてきた『スター・ウォーズ』なだけに、劇中で彼女がどんな役割を果たすのかについては、その後も明らかになっていなかった。「彼女は本当に“ただの人”なのよ。予期せぬきっかけで、フィンと多くの時間を過ごすことになって、一緒にクールなアドベンチャーを繰り広げるわ」とケリーは語る。
さらに「ローズにはペイジという名の姉がいて、彼女もレジスタンスのメンバーなの。でも、ローズはごく普通のキャラクターなのよ。姉と違って、メンテナンス(整備)として働く、ただの人なの。高貴な生まれでも、クールな家系の出身とかでも全くない」と語るケリー。「そして私たちも、ただの人だわ。ひどいことや良いことがあっても、みんな、何とか生きていこうとしているね」と付け加え、ローズがフィンと同様、特別ではない人々の代表であることを明かした。
本作が初の映画出演となったケリーも、“ただの人”だった。アメリカ育ちだが、「両親はベトナムからの移民で、戦争中にアメリカに来たの」と明かす。「とっても若いころから、エンタメ業界に入りたいと思っていたけれど、家族はこの業界につながりがあるわけじゃない。テレビで小さな役をやったり、コメディーをたくさんやったり。演技や歌をやるためにはどうすればいいのか、自分で考えなくてはならなかったわ。それは今もなんだけど(笑)」。
それだけに、『スター・ウォーズ』への出演は家族にとっても大ニュースだったはずだ。しかし、シリーズに参加していることは、家族にも内緒だった。5か月にもわたるオーディションでも、伝えられていたシナリオやキャラの名前は偽物で、全て審査用のものだったというから、さすがの徹底ぶりだ。
「家族全員にウソをつくのは、とっても難しかったわ。映画が公開されるまで、実質2年間も秘密を守っているのよ(笑)。役をもらったときは、まるでCIAに入るみたいだった。スタジオの人は『(撮影場所の)ロンドンに移らないといけない。でも、誰にも言えないよ。ボーイフレンドはいる?』って。ノーと答えたら、『それはいい。彼にも言えないからね』って感じ。友達にも、カナダで小さなインディーズ映画をやっているって伝えて、Googleで検索したトロントの写真を送ったりしてた。変な気持ちだったわ」というケリー。ついに映画の公開を迎えた今は、ようやく心からの安堵と喜びを味わっているに違いない。(編集部・入倉功一)