石原さとみ、「逃げ恥」脚本家の新ドラマで「自分らしさ」に葛藤
女優の石原さとみが「逃げるは恥だが役に立つ」(2016・TBS系)で知られる脚本家の野木亜紀子とタッグを組む、来年1月12日放送スタートの連続ドラマ「アンナチュラル」(TBS系)の見どころを語り、演じるヒロイン・三澄ミコト役の役作りについて、当初は葛藤があったことを明かした。
死因究明専門のスペシャリストたちが集う「不自然死究明研究所」(UDIラボ)で“不自然な死”を遂げた遺体と向かい合う三澄ミコトの活躍を描く本作。プロデューサーに新井順子、演出に塚原あゆ子が起用されるなど、近年大活躍の女性スタッフが集結。石原も役づくりのために髪をカットし、自身が着用する白衣のデザインにも協力するなど積極的に関わっており、意気込みも十分。撮影の進捗について問われると「楽しんでやれています」と嬉しそうな表情を見せた。
TBSの連ドラ出演は13年ぶり、主演は初だと言い、「一緒にお仕事をするスタッフさんも初めての人ばかり。クランクイン前は不安だったんですけど、塚原さんとよく話をさせてもらって、今はすごくいい状態で撮影できています」と笑顔。
ミコト役については塚原から「お芝居はしなくていい」とアドバイスされるなど、タイトルとは裏腹にナチュラルな自分の姿をそのまま投影できる役だといい、「こんなに本能で演じられる役も珍しいです。寝て起きてあくびをするような感じで演じられる役なんです」とのこと。だが、クランクイン前は制作側とのコミュニケーションの中で、役づくりについて葛藤があったとも告白。
「ちょっとドライめで、クールなミコト像」を意識して本読みに参加していたという石原だが「もっと柔らかくて穏やかな石原さんそのものでいい」とアドバイスを受けた。「わたしでいいって、わたしって何だろう……」と迷いが生まれたといい、家族を含めた自分の周囲の人たちにクランクインまでに「わたしってどんな人」と尋ねてまわったことを述懐。
周囲からは「強くて自分の意志もきちんと持っていて、それを伝える時にちゃんと理性も働く人。柔らかい人」と評価してもらったそうで、そういった意見に基づきアプローチも再考。「思いやりがすごくあって柔らかくて穏やか。でも、いろんな過去を経験して、強さも持っている。その分、人の哀しさも知っていて、その人たちに寄り添える子」とミコトを分析した。
「わたしにも挫折の経験があるので、その寄り添い方も、経験を踏まえて理解出来る感じがしたんです。それからは(この役に)無理をしなくなりました」と手ごたえを感じている様子の石原。ドラマは一話完結式の法医学ミステリーになっており、石原いわく「死を通して生も考えられる内容」になっているという。「このドラマのミコトを見て、ちょっと意識が変わる、選択肢が変わる、半歩くらい前に進める。そんな風になってくれたらすごく嬉しいです」と視聴者に呼びかけた。(取材・文:名鹿祥史)
金曜ドラマ「アンナチュラル」は2018年1月12日、TBS系にて放送スタート