イーストウッドがテロ事件を描く!本人をキャスティング『15時17分、パリ行き』予告編
名匠クリント・イーストウッド監督が、実際に起きたテロ事件を、当事者たちを主演に迎えて映画化した『15時17分、パリ行き』から、日常に迫るテロの恐怖と、犯人に立ち向かった若者たちの人生を捉えた予告編が公開された。
本作で描かれるのは、2015年8月21日、554人の乗客を乗せたアムステルダム発パリ行きの高速国際鉄道タリス内で発生した無差別テロ「タリス銃乱射事件」。当時、車内ではイスラム過激派の犯人が自動小銃AK-47を発砲。乗客たちが絶体絶命の危機に瀕するなか、休暇を利用してヨーロッパ旅行中だった3人のアメリカ人の若者が犯人に立ち向かった。
この題材にひかれたのが、近年、『アメリカン・スナイパー』『ハドソン川の奇跡』と現実のヒーローを描き続けてきたイーストウッド監督。映画化に当たって、数多くの俳優と会合をもったが、主演には実際にテロを阻止した 3 人の若者たちがふさわしいと判断し、スペンサー・ ストーン、アレク・スカラトス、アンソニー・サドラーをキャスティングするという、ハリウッド映画の常識を打ち破る大胆な手法を選択した。さらに当時の列車に居合わせた乗客たちも多数出演し、事件が起きた場所で撮影に臨んだというから驚きだ。
公開された予告編は、緊迫した事件の様子と共に、3人の若者たちの生い立ちをつづっていく。軍隊に入隊して厳しい訓練に励む青年、幼き日にベッドに身を託して祈りをささげる少年、学校でイジメに遭い、ふて腐れながらロッカーに八つ当たりする姿。それぞれの試練を経て成長した3人の幼なじみが、つかの間の休暇を得る姿が描かれる。
本作についてイーストウッド監督は、に対して「この映画はごく普通の人々に捧げた物語だ」と語っている。ありふれた日々を積み重ねてきた若者たちは、いかにして危機に立ち向かう勇気を育ててきたのか。その応えを描く物語への期待が高まる。(編集部・入倉功一)
映画『15時17分、パリ行き』は3月1日より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほかにて全国公開