監督はパディントンのような人?ブラウンさんが明かす
作家マイケル・ボンドの児童文学を実写映画化した『パディントン』の続編『パディントン2』(1月19日 日本公開)について、ヒュー・ボネヴィルが1月9日(現地時間)ニューヨークのAOL開催イベントで語った。
ロンドンのウィンザー・ガーデンでブラウン夫妻(ヒュー、サリー・ホーキンス)と共に幸せな生活を送っていたクマのパディントン。育ての親であるルーシーおばさんの誕生日プレゼントを探していたある日、骨董屋で素敵な絵本を見つける。しかし、買う予定だった絵本が盗まれてしまい、絵本の行方を追ったパディントンは思わぬ騒動に巻き込まれていく。前作に引き続きポール・キング監督がメガホンを取った。
前作よりも良くなければならない状況に陥るリスクを持つ続編について、「確かにそれはあるけれど、今作には(前作に引き続き)ポールが監督として参加し、サイモン・ファーナビーと共に脚本を執筆してくれた。彼は、小さくて、毛深くて、世界に対する観点が多少偏ってはいるものの、素晴らしく人に心を開いていて、彼こそがある意味パディントンなんだ。永遠に愛すべき人物で、知恵もある。そんな彼が居たからこそ、今作は評価されていると思うんだ」とヒュー。本作は現在、アメリカの大手批評サイト Rotten Tomatoesで100%の高評価を得ている。
原作者マイケル・ボンドについては、「マイケルは、残念なことに、今作の撮影最終日に81歳で亡くなったんだ。彼はにこやかで、とても温かい人物だったよ。パディントンの生みの親であるばかりでなく、われわれの映画のゴッドファーザーでもあったんだ」と敬意を表した。また、前作の制作時、キング監督がマイケルにオリジナルカットを初めて見せた際、「彼はマイケルと一緒に試写室で座って観ることができないと、外を歩き回っていたらしいんだ。その時、自分がマイケルのために映画を作っていたんだと理解したそうだよ。(パディントンのような)ポールは、(同シリーズの)生みの親マイケルを喜ばせようとしたのかもしれないね」と明かした。
今作のブラウン夫妻については、「サリーと僕は、これまでにお互い褒め合うような関係を保ってきたよ。とてもロマンチックで衝動的なブラウン夫人とは対照的に、夫ブラウンは過保護な父親で、リスク・アナリストの仕事の通り、どこにでもリスクを見つけようとしていたんだ。でも、パディントンが一家にやってきてリラックスするようになったね。今作で彼は昇進を逃し、白髪や体重が増え、体に衰えも感じている。それが理由で、ハーブのジュースや“チャクロバティック”という究極のヨガを始めるようになるんだ」と説明し、その行動が後のストーリーで役立つ設定にもなっていると付け加えた。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)