キネマ旬報ベスト・テン日本映画1位は『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』
老舗映画雑誌「キネマ旬報」が1924年度から発表している「キネマ旬報ベスト・テン」が今年も発表され、石井裕也監督の『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』が日本映画の第1位に輝いた。外国映画の第1位にはケン・ローチ監督がメガホンを取った『わたしは、ダニエル・ブレイク』が選出された。
【写真】『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』初日舞台あいさつの様子
『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』は石橋凌と原田美枝子の次女で女優の石橋静河と池松壮亮が共演した作品。最果タヒの詩集に基づき、昼は看護師、夜はガールズバーの店員として働く美香(石橋)と、工事現場で日雇いの仕事をする慎二(池松)の出会いと恋が描かれている。
『わたしは、ダニエル・ブレイク』は、イギリスのニューカッスルを舞台に、社会の片隅で必死に生きようとする男の奮闘に迫った作品。第69回カンヌ国際映画祭では最高賞にあたるパルムドールを受賞した。
文化映画の1位には、雑木林に囲まれ自給自足に近い生活を営む建築家の津端修一氏と妻の英子さんの日常を追った『人生フルーツ』が選ばれたほか、主演女優賞を蒼井優、主演男優賞を菅田将暉が獲得した。(編集部・海江田宗)
第91回キネマ旬報ベスト・テンは以下の通り。
【日本映画ベスト・テン】
1位:『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』
2位:『花筐/HANAGATAMI』
3位:『あゝ、荒野』
4位:『幼な子われらに生まれ』
5位:『散歩する侵略者』
6位:『バンコクナイツ』
7位:『彼女の人生は間違いじゃない』
8位:『三度目の殺人』
9位:『彼女がその名を知らない鳥たち』
10位:『彼らが本気で編むときは、』
(次点:『ビジランテ』)
【外国映画ベスト・テン】
1位:『わたしは、ダニエル・ブレイク』
2位:『パターソン』
3位:『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
4位:『ダンケルク』
5位:『立ち去った女』
6位:『沈黙 -サイレンス-』
7位:『希望のかなた』
8位:『ドリーム』
9位:『ムーンライト』
10位:『ラ・ラ・ランド』
(次点:『残像』)
【文化映画ベスト・テン】
1位:『人生フルーツ』
2位:『標的の島 風(かじ)かたか』
3位:『やさしくなあに ~奈緒ちゃんと家族の35年~』
4位:『ウォーナーの謎のリスト』
5位:『谺雄二 ハンセン病とともに生きる 熊笹の尾根の生涯』
6位:『沈黙-立ち上がる慰安婦』
7位:『米軍(アメリカ)が最も恐れた男 その名は、カメジロー』
8位:『笑う101歳×2 笹本恒子 むのたけじ』
9位:『まなぶ 通信制中学 60年の空白を越えて』
10位:『廻り神楽』
(次点:『桜の樹の下』)
【個人賞ベスト・テン】
日本映画監督賞:大林宣彦『花筐/HANAGATAMI』
日本映画脚本賞:石井裕也 『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』
外国映画監督賞:ケン・ローチ『わたしは、ダニエル・ブレイク』
主演女優賞:蒼井優『彼女がその名を知らない鳥たち』
主演男優賞:菅田将暉 『あゝ、荒野』『火花』『帝一の國』『キセキ -あの日のソビト-』
助演女優賞:田中麗奈『幼な子われらに生まれ』
助演男優賞:ヤン・イクチュン『あゝ、荒野』
新人女優賞:石橋静河 『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』『PARKS パークス』『密使と番人』
新人男優賞:山田涼介 『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『鋼の錬金術師』