ニッチェ・江上、本格的女優デビュー作で監督の背筋凍らせる

　お笑いコンビ、ニッチェの江上敬子が16日、都内で行われた映画『犬猿』プレミア上映会舞台あいさつに出席し、撮影中に吉田恵輔監督の背筋を凍らせたことが暴露された。この日は、窪田正孝、新井浩文、筧美和子も来場した。

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　本作は、二組の兄弟姉妹による、血の繋がりがあるからこその羨望、嫉妬、愛憎渦巻く複雑な関係を、時にユーモラスに、時にシリアスに描いたヒューマンドラマ。真面目で優しいけれど姑息な弟・和成を窪田、凶暴でトラブルメーカーの兄・卓司を新井、仕事はできるが見た目にコンプレックスがある姉・由利亜を江上、ルックスはいいがおバカな妹・真子を筧が演じる。
　
　本格的な女優デビューを果たしてステージに立つ江上は、「なんでお前がそこにいるんだ？　と思っているでしょうけど、わたしが一番思っているんで」と恐縮しきり。オファーを受けた際も、「なぜわたしが？」と驚いたことを打ち明けるが、台本に記載された役名の下に「太っていて容姿が醜い女性」という説明書きがあったために、「そういうことか！　となった」とぶっちゃけ、会場の笑いを誘った。

　その江上ら4人の起用について、「売れっ子だからスケジュールが噛みあわなかったりすけど、バッチリはまった」と自身の希望が一発で叶ったことを明かし、「奇跡な作品」と感激する吉田監督。ところが、撮影中に背筋が凍る思いをしたことを告白する場面も。

　というのも、窪田と新井は「日本で一番（芝居が）うまい二人くらいに思っているのでイケると思っていた」そうだが、江上と筧は「飛び道具感があるので、怖いからリハーサルをした」そうで、その時を振り返り、「正直、ゾッとしました。これ、大丈夫か？　と思った。嫌な汗かきました。笑顔だったけど」と吐露。しかし、本番までに役を作りあげた二人に、吉田監督は「助かりました」と感謝の言葉も送り、江上らを安心させていた。

　そんな苦労の末に完成した本作。江上は「素晴らしい作品に参加できたことを誇りに思いますし、喜びに感じております」としみじみと語ると、「ぜひ楽しんでください」とアピールした。（取材：錦怜那）

映画『犬猿』は2月10日よりテアトル新宿ほか全国公開