真木よう子×井上真央×桜庭ななみ×大泉洋!鄭義信が舞台を自ら映画化
2008年に初上演され演劇賞を総なめにした鄭義信作・演出の舞台「焼肉ドラゴン」が、真木よう子、井上真央、桜庭ななみ、大泉洋の出演により映画化されることが決定した。万国博覧会が開催された1970年、高度経済成長期の関西を舞台に、故郷を奪われた在日韓国人一家が時代の波に翻弄されながらも力強く生きる姿を描いた人生賛歌で、映画『月はどっちに出ている』(1993)、『血と骨』(2004)などの脚本家として知られる鄭が満を持して初メガホンを取る。
2008年、新国立劇場とソウル・アート・センター、日韓のコラボレーションにより製作され、2011年、2016年に再演された舞台を映画化する本作。焼肉店「焼肉ドラゴン」の長女・静花に真木よう子、次女・梨花に井上真央、三女・美花に桜庭ななみ。幼なじみである静花への思いを秘めたまま梨花と結婚する男性・哲男に大泉洋がふんする。
舞台版の大ファンだったという大泉は、「現れるキャラクターの誰しもが心に傷を抱えながらも、国や血の繋がりを超えて団結し、明日を強く生きていこうとする姿を、日本と韓国の役者陣が鬼気迫る表情や演技で見せる作品になったと思います」とコメント。真木は「この様な歴史的事実が確かに存在した事を、より多くの方に認識して欲しいと思うと共に、鄭監督の伝えたかった“たとえ昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる”というメッセージが作品の終盤には深く皆様の心に突き刺さる事になると思います」と魅力をアピールしている。
自身の舞台を自ら映画化する鄭は、舞台を「1970年に開催された万博は、僕と同世代の人たちの記憶に強烈に焼き付けられていると思います。その華やかな万博の片隅で、時代の波からはまったく忘れ去られたような『在日』韓国人の家族を描いたのが、『焼肉ドラゴン』でした」と紹介。「『在日』韓国人の……どちらかと言えば、特殊な家族の物語を日本の観客たちがどんなふうに受け止めてくれるか……初演の幕が上がるまで、僕は不安でなりませんでした。それが温かい拍手で迎えられ、再演、再々演を重ね、映画化までできたことは感無量としか言いようがありません」と映画化実現に至った並々ならぬ思いを表した。(編集部・石井百合子)
映画『焼肉ドラゴン』は初夏、全国公開