菅田将暉、キネ旬主演男優賞受賞に「重いですね……」
俳優の菅田将暉が12日、東京都・文京シビックホールで行われた「2017年第91回キネマ旬報ベスト・テン表彰式」に出席した。『あゝ、荒野』『火花』『帝一の國』『キセキ -あの日のソビト-』の4作で主演男優賞を受賞した菅田は、トロフィーを手に「重い賞を受賞したんだな」と受賞の喜びをかみしめた。『あゝ、荒野』で助演男優賞を受賞したヤン・イクチュンと共に壇上で並ぶと嬉しそうにキスし合うポージングを披露し、イクチェンは「菅田さんのファンの方はうらやましいと思うでしょうね」と笑顔を見せた。
【写真】菅田将暉&ヤン・イクチュン、仲良すぎ!キネ旬そろって受賞
映画雑誌「キネマ旬報」が分野ごとにベスト・テンを選出する同賞の授賞式には菅田のほか、蒼井優、田中麗奈、石橋静河、大林宣彦監督、石井裕也監督、伏原健之監督、岸善幸監督、立川志らくが登壇。日本映画第1位『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』(石井裕也監督)、外国映画第1位『わたしは、ダニエル・ブレイク』(ケン・ローチ監督)、文化映画第1位『人生フルーツ』(伏原健之監督)の上映も行われた。
菅田はワダ・エミがデザインしたオスカー像より重量があるというトロフィーを手に取ると「重いですね……」と感慨深げ。「(トロフィーだけでなく)受賞した過去の皆さんの年表を見ていて、重い賞を受賞したんだな」と実感したといい、「これから何ができるかわかりませんが、役者として今後も一生懸命やっていきたいと思います」と決意を新たに。昨年は主演作が相次ぐ多忙な一年となったが、「菅田くんとやりたいと言ってくれる人がいて、その人の熱意を見ているとありがたいなって。誘われたらぜひと言うしかない。ありがたいことに体もまだ元気。倒れたりしない限りこのままやっていきたい」と続けた。
とりわけ『あゝ、荒野』は思い入れの強い一本となった様子。「映画を観るとあれこれ考えちゃいますけど、観て一番に出てくるのは現場の時間。試合シーンとかを観ていると、その頃の記憶がいろいろよみがえってきて。ああ、あの時アツくなれたなって。その場での体温みたいなものを思い出すんです」と撮影現場を述懐。
イクチュンも受賞に感慨深げだったが茶目っ気もたっぷり。菅田の印象を問われると「動物的なところがある」と述べ、「菅田さんの脱いだ体も見たんですが、動物的な体をしていて、野性的な勘も持った方だな」とその印象を紹介。「映画は早いスピードで消費されてしまう。そんな中100年近くも映画と向かい合ってきたキネマ旬報さんに表彰されて光栄に思います」とスピーチした。(取材・文:名鹿祥史)
受賞者は以下の通り
日本映画監督賞:大林宣彦『花筐/HANAGATAMI』
日本映画脚本賞:石井裕也『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』
外国映画監督賞:ケン・ローチ『わたしは、ダニエル・ブレイク』
主演女優賞:蒼井優『彼女がその名を知らない鳥たち』
主演男優賞:菅田将暉『あゝ、荒野』『火花』『帝一の國』『キセキ -あの日のソビト-』
助演女優賞:田中麗奈『幼な子われらに生まれ』
助演男優賞:ヤン・イクチュン『あゝ、荒野』
新人女優賞:石橋静河『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』『PARKS パークス』『密使と番人』
新人男優賞:山田涼介『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『鋼の錬金術師』