染谷将太、海外で活躍するには「意見を言う」のが前提
日本よりひと足先に公開された中国で大ヒットを記録している、日中合作映画『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』で海外作品初主演を果たした染谷将太が、海外での長期撮影を乗り越えるための“サバイバル術”を明かした。
【動画】染谷将太が美しい僧侶に!『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』予告編
『さらば、わが愛/覇王別姫(はおうべっき)』の巨匠チェン・カイコーのもと、日中の実力派俳優が集結した本作。カイコー組ならではの6年の歳月を費やした贅沢なセット、全編にわたる中国語での演技(日本では日本語吹き替え版のみ上映)、5か月間に及ぶ中国での長期撮影と、初めて尽くしを体験した染谷が海外の撮影現場で実感したのは、コミュニケーションの重要性だ。
撮影時を振り返りつつ「常に意見を求められますし、言わないと仕事にならないですね。日本の現場とは違い、意見を言える準備を毎日していました。その日撮るシーンのことや、スケジュールのことも自ら発言させてもらいます。撮る順番が変わることが多々あるので、希望を先方も聞いてくださいますし、言うのが当たり前なんです。そうやってサバイブしていました」と語る。
そんな染谷を、監督は大歓迎の様子で「時折、わたしの考えと彼の考えが一致しないこともありました。でもそれは彼の主体的な表現方法であり、非常に素晴らしいこと。どう演じるかという、自分のキャラクターに対する取り組み方をはっきり言葉で述べて、わたしと一緒に語り合える。これこそが本当の意味での“合作”です。ただ監督の意見を聞くだけでは合作とは言えません」と絶賛。
ちなみに染谷のサバイバル生活を支えたのは、稀代の詩人・白楽天役のホアン・シュアン。公の場で度々彼への感謝を口にしている染谷は、「彼は役者としても人間的にも、とても素敵なナイスガイ。独りで中国に来ている自分に、いつも気を遣ってくれていました。気晴らしにレストランへ連れ出してくれたり、部屋で一緒にセリフの練習をしてくれたり。異国の者同士だからこそより深いコミュニケーションが必要とされて、本当の友情や信頼が築けたと思います」と述懐する。
現場では続編の可能性についても話し合ったという、まさにカメラの内外で“バディ”と化した染谷とホアン。彼らが演じる、空海と白楽天の息の合った演技も必見の本作は、ベストセラー作家・夢枕獏による「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」を原作とするミステリーだ。唐の首都・長安を舞台に、権力者が次々に奇妙な死を遂げる怪事件を、空海が白楽天とともに探っていく。2人に加え、事件の鍵を握る阿倍仲麻呂(阿部寛)や彼が想いを寄せる楊貴妃(チャン・ロンロン)など、歴史にその名を轟かせるキャラクターが多数登場。虚実織り交ぜたストーリーが展開する、豪華絢爛なエンターテインメントだ。(取材・文:柴田メグミ)
映画『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』は2月24日より全国公開