日本舞台のウェス・アンダーソン監督作『犬ヶ島』でベルリン開幕!野田洋次郎ら日本人キャストも
第68回ベルリン国際映画祭
現地時間15日、第68回ベルリン国際映画祭が開幕し、日本を舞台にしたウェス・アンダーソン監督のストップモーションアニメーション『犬ヶ島』がオープニングを飾った。本作は、犬のインフルエンザ蔓延のため、ゴミの島に犬を隔離することになった日本の“メガ崎市”を舞台に、愛犬を探すアタリ・コバヤシ少年を主人公にした物語。
同日、オープニング上映に先駆けて行われた会見には、アンダーソン監督はじめスタッフ、豪華声優陣がずらりと並んだ。ビル・マーレイ、ジェフ・ゴールドブラムなど会見席の11人のほか、並びきれなかったティルダ・スウィントン、夏木マリ、RADWIMPSの野田洋次郎らが会見席脇に陣取り、あいさつした。
アンダーソン監督は、日本を舞台にした理由を「何か僕らの日本映画への思いと関連付けたかったのです。特にクロサワ(黒澤明監督)。どこが舞台でもいいようなストーリーになっていますが、日本のファンタジーバージョンといったものにしました」と明かす。
日本人にとってはなじみ深い世界のようでありながら、“ファンタジーバージョン”というところでアンダーソン監督のカラーをさく裂させている。アニメーションの利点を「『それはできません』とは言わないことです。『いつでもそれはできます』ということですから」と冗談めかして例えたように、アニメーションとしたことでより自由に空想をはばたかせている。
この日は主人公アタリの声を担当したコーユー・ランキンくんの11回目の誕生日でもあり、キャスト・スタッフからのハッピーバースデーの合唱に会場全体からの拍手が続き、大先輩に囲まれたコーユーくんも緊張がとけたような笑顔を見せていた。『犬ヶ島』はコンペティション部門に出品されている。(取材・文:山口ゆかり / Yukari Yamaguchi)
第68回ベルリン国際映画祭は現地時間25日まで開催
映画『犬ヶ島』は5月全国公開