『007』シリーズ監督ルイス・ギルバートさん死去 97歳
『007は二度死ぬ』『007 私を愛したスパイ』『007/ムーンレイカー』という007シリーズ3作でメガホンを取ったイギリス人監督ルイス・ギルバートさんが現地時間23日、モナコで亡くなった。97歳だった。英米メディアが報じている。
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モナコはルイスさんが1975年から暮らしていた国。息子のジョンさんがBBCに語ったところによると、ルイスさんは10年近く前から認知症を患っており、睡眠中に安らかに息を引き取ったという。
ルイスさんは、1920年にロンドンの興行師の家庭に生まれ、幼少の頃から家族とともにパフォーマンスを行い、映画に目覚めて子役として活躍した後、ローレンス・オリヴィエ主演作『淑女は離婚がお好き』のプロデューサー、アレクサンダー・コルダに見いだされ、彼のスタジオでアシスタントディレクターとして働くように。アルフレッド・ヒッチコック監督作『巌窟の野獣』でもアシスタントディレクターとして巨匠のもと学んだ。
第2次世界大戦中は、英国空軍のフィルムユニットでフランク・キャプラ、ウィリアム・ワイラーといったハリウッドのベテランたちと共にドキュメンタリーを撮影。除隊後は、フランスの映画会社ゴーモンの英国支社に入社し、1947年に『ザ・リトル・バレリーナ(原題) / The Little Ballerina』で長編監督デビューを果たす。しばらくは『殴り込み戦闘機隊』『スパイ戦線』『ビスマルク号を撃沈せよ!』など戦争映画を手掛けた。
そして、マイケル・ケイン主演作『アルフィー』ではカンヌ国際映画祭審査員特別賞を獲得し、さらにアカデミー賞作品賞にまでノミネートされた。その後、世界中でヒットした『007』シリーズを手掛け、幅広いジャンルで活躍する監督としてその地位を築き上げていった。私生活では1951年に結婚し、2人の息子がいる。(細木信宏Nobuhiro Hosoki)