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「必死すぎるネコ」写真家・沖昌之、新しい街でネコに出会うのは「宝箱があったような感覚」

沖昌之の写真集「必死すぎるネコ」より
沖昌之の写真集「必死すぎるネコ」より

 写真集「必死すぎるネコ」などで有名な写真家・沖昌之が11日、吉祥寺「ココロヲ・動かす・映画館◯」で上映中の映画『猫が教えてくれたこと』の公開を記念して行われている「必死すぎるネコ」写真展のトークショーに出席した。

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 同写真展は、飛ぶネコ、伸びるネコ、縮むネコなど、必死に何かをするネコたちの愛くるしい瞬間をとらえ、SNS上などでも大きな話題になっている同写真集から、ネコたちの「必死さ」がより魅力的に楽しめる写真が掲示されている展示会だ。

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 ネコと人間たちの幸せな関係を描いたドキュメンタリー映画『猫が教えてくれたこと』を鑑賞したという沖は、舞台となったトルコの大都市イスタンブールに対して「ネコが自由気ままに歩いている姿を見ると、ネコに対する街の人のいたわり方がわかります」と感想を述べる。

沖昌之
写真家・沖昌之

 この感想こそ、沖の撮影スタンスのようで、「僕は普段、東京の東部で撮影をしているのですが、ネコを撮るうえで一番重視しているのが、街に迷惑をかけないようにすることです」と語り出すと「街でネコを撮ろうと思ったら、しっかりとその街の人にあいさつをします。例えばいつも餌をあげているおじいちゃんおばあちゃんがいるならば、まずはその人に話しかけてコミュニケーションをとります。ネコはちゃんと人を見ていて、いつも優しくしてくれている人と楽しく話している人なら、気を許してくれるんです」と持論を展開。

 さらに「ネコは自分でアイデンティティを確立する動物ではなく、街の人がネコの性格を形作る気がするんです」と続けると、「その意味で、『猫が教えてくれたこと』を観ると、イスタンブールという街全体が、昔からネコへのいたわりの気持ちを持っているということが伝わります。だからこそ素敵な映像が撮れたのだと思うんです」と共感する部分が多かったことを明かす。

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 沖といえば、ネコの決定的瞬間を見事にとらえている写真が話題を呼んでいる。しかし「決定的」であるがゆえに、労力は並々ならぬものがあるように思われるが、「日中、ネコを追いかけているなんて夢みたいな仕事なので、大変だと感じたことはほとんどないですね」と柔和な笑顔で語ると、「ネコの撮影というのは、ネコになにかをしてもらうわけではないという前提があるので、逃げられても『かわいいな』と思えるし、こちらが気合いを入れて構えていても、まったくこっちを向いてくれないことも多いですからね。でもそれがネコらしいって思えるんですよね」とネコへの愛がすべての困難を凌駕しているようだ。

 「新しい街に行って、ネコに出会うというのは、RPGゲームではないですが、洞窟のなかで迷ってしまって『どうしよう』と思った瞬間、そこに宝箱があったような感覚」と語った沖。再開発などで、街を取り巻く環境は大きく変わってきているが、「都内で撮影していても、地域ネコを去勢したりして、ネコの数は減っています。今後さらに機嫌良く街中を歩くネコの数は少なくなってくるかもしれませんが、それがネコにとって幸せなら、それはありかなと思うんです」と最後までネコの視点に立ったトークを展開していた。(磯部正和)

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