女力士描く『菊とギロチン』7月公開!木竜麻生×東出昌大×寛一郎出演<コメントあり>
『64-ロクヨン-』前篇・後篇、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』の瀬々敬久監督が、かつて日本全国で興行されていた「女相撲」の一座と、実在したアナキスト・グループ「ギロチン社」の青年たちを描く映画『菊とギロチン』が7月より公開される。約300名の応募者の中からヒロインの新人力士に抜擢された木竜麻生のほか、東出昌大、寛一郎、韓英恵らが出演する。
瀬々監督が30年前から企画し、自主企画として制作を開始。賛同した会社や個人による出資やカンパによる資金調達により実現した本作。舞台は、大正末期、関東大震災直後の日本。女性が困難な人生を生きざるを得なかった時代に、様々な過去を背負った女相撲一座の面々と、「社会を変えたい、弱い者も生きられる世の中にしたい」という夢を抱くギロチン社の若者たちとの交流が描かれる。脚本を、映画『サウダーヂ』『バンコクナイツ』などでの相澤虎之助が担当している。
新人力士・花菊役に、先ごろ野尻克己監督作『鈴木家の嘘』のヒロインにも抜擢された23歳の木竜麻生。「ギロチン社」のリーダーで実在した詩人の中濱鐵(なかはま・てつ)に東出昌大、もう一人の中心メンバーの古田大次郎に『心が叫びたがってるんだ。』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』などの寛一郎、中濱と心を通わせる女力士・十勝川役に『誰も知らない』『悪夢探偵2』などの韓英恵がふんする。
そのほか、渋川清彦、山中崇、井浦新、大西信満、嘉門洋子、大西礼芳、山田真歩、嶋田久作、菅田俊、宇野祥平、嶺豪一、篠原篤、川瀬陽太らが出演。永瀬正敏がナレーションを務める。黒澤明の『羅生門』や溝口健二作品を手掛けてきた馬場正男が美術監修を務める。
大学相撲部に指導を受け、若き女優たちが体当たりで挑んだ相撲シーンが見もの。瀬々敬久監督及びキャストのコメントは以下の通り。(編集部・石井百合子)
<瀬々敬久監督>
十代の頃、自主映画や当時登場したばかりの若い監督たちが世界を新しく変えていくのだと思い、映画を志した。僕自身が「ギロチン社」的だった。数十年経ち、そうはならなかった現実を前にもう一度「自主自立」「自由」という、お題目を立てて映画を作りたかった。今作らなければ、そう思った。映画は多くの支援があったからこそ完成できた。何かを変えたいと映画を志した若い頃、自分はこういう映画を作りたかったのだと初めて思えた。あとはいざ、世界の風穴へ。そうなれれば本望だ。
<木竜麻生>
花菊の真っ直ぐなところや、強くなりたいという想いを感じて演じるのにとにかく必死でした。監督をはじめ、この作品に関わった人たちの熱いものがそこにあったと思います。
<東出昌大>
関東大震災後の混沌とした時代を生きる滅茶苦茶な人々の姿が、衣食住足りた現代に生きる我々の閉塞感をぶち破ります。変な映画です。ですが、この変な映画を心から愛しく思います。
<寛一郎>
実在の人物をモチーフにバラバラの実話を組み合わせ、フィクションを作り出しているところに面白さを感じて撮影に挑みました。僕はアナキストの役でしたが、一見非情に見える彼らも意外と繊細で、思想は極端ですが、今の若者と似てる部分があると感じました。何かをぶっ飛ばせるパワーを持った映画、そこに参加できて本当に嬉しいです。
<韓英恵>
腹がよじれる程本気で笑って、本気で喧嘩した日もあった。土俵の上では本気で戦い、このヤロゥ、負けるもんか!と本気で思った。私たちは、いつの時代も力強く生きるべきだ。もう戻れない私たちの青春、ぜひご覧ください。
映画『菊とギロチン』は7月よりテアトル新宿ほか全国順次公開