太賀&吉田羊が壮絶親子に!「母さんがどんなに僕を嫌いでも」映画化
漫画家・小説家として活躍する歌川たいじが自身の壮絶な母子関係を赤裸々に描いたコミックエッセイ「母さんがどんなに僕を嫌いでも」の映画化が決定し、太賀と吉田羊が親子役を務めることが明らかになった。
『泣き虫ピエロの結婚式』『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』の御法川修監督がメガホンを取り、社会人として働くタイジ(太賀)が、友人との出会いを機に自身の壮絶な過去を振り返りながら、何年ものあいだ関係を断っていた母(吉田)と向き合い、母子の愛を取り戻そうとするさまを描き出す。公開は2018年秋。
「歌川さんの実人生を追体験するのは勇気がいる事でした」という太賀は、「タイジという役の人間的な愛おしさと、たくさんの困難を乗り越えて来たという事実が、何よりも僕を突き動かし、演じるうえでの原動力になりました」と役への愛着をのぞかせる。吉田は、脚本でも原作でも母親に共感できなかったと告白しつつも、「なのに気付けばボロボロ泣いていました」と明かす。「子の躰の底から湧いて尽きない母への愛の叫びが、太賀さんの苦しいほどに繊細なお芝居と私演じる未熟な母を通して皆様の心に届いたら幸いです」と呼びかけた。
主人公を支える友人キャストも発表され、キミツ役にスティーヴン・スピルバーグ監督最新作『レディ・プレイヤー1』への出演も話題の森崎ウィン、大将役に『仮面ライダーウィザード』シリーズや『東京喰種 トーキョーグール』などの白石隼也、カナ役に『ガールズ・ステップ』などの秋月三佳らが名を連ねる。幼少期のタイジ役は子役の小山春朋、父親役は斉藤陽一郎、幼少時代よりタイジの心の支えとなる婆ちゃん役は木野花が務める。(編集部・吉田唯)
<コメント全文>
■太賀(主演:タイジ役)
歌川さんの実人生を追体験するのは勇気がいる事でしたが、タイジという役の人間的な愛おしさと、たくさんの困難を乗り越えて来たという事実が、何よりも僕を突き動かし、演じるうえでの原動力になりました。心の底から嬉しかったことや、心の底から悲しかったこと、主人公が感じてきた事が何一つとして溢れ落ちないよう、全力で演じました。歌川さんの半生を描いたこの作品が、見てくださる方の喜びになれば幸いです。
■吉田羊(光子役)
脚本を読んでも原作を読んでも、この「母さん」に共感できない、なのに気付けばボロボロ泣いていました。
子の躰の底から湧いて尽きない母への愛の叫びが、太賀さんの苦しいほどに繊細なお芝居と私演じる未熟な母を通して皆様の心に届いたら幸いです。「母親像」は人それぞれ。いろんな感想があるでしょうが、観終わったあと「母さんがどんなに僕を嫌いでも」の後に続くのは、愛の言葉だといいな。
■歌川たいじ(原作者)
他人におおっぴらに話せなかった過去。それを思いきって本にしてみたところ、「この本に救われました」と声を寄せてくださる方が大勢いらっしゃいました。各方面から大きな反響をいただきました。でも、まだ無名な私の本を「ぜひ映画化したい」と仰ってくださったプロデューサー、御法川監督をはじめスタッフ・キャストの皆様には感謝しかありません。
主役が太賀さんに決まり、母役を吉田羊さん、ばあちゃん役を木野花さん、他の役についてもこれ以上望むものは何もないと思うほどの役者さんが参加してくださり、私が自分の半生を通して世の中に伝えたかったことを表現してくださいました。
試写を拝見して、自分の過去が、大勢の人の力で翼を広げ、映画になって自分のもとから飛び立ったのだと感じました。「飛び立ったのならば、できるだけ遠くまで飛んでいってほしい。そして、届くべきところにちゃんと届いてほしい」そんな気持ちで、いまはいっぱいです。
■御法川修(監督)
原作を初めて手にし、心を震わせた日から五年。こうして映画化を実現できた感慨で胸がいっぱいです。本作は、「母をたずねて三千里」の昔から脈々と続く<母と子の物語>です。そして、たったひと言「お母さんが大好きです」と告げるために身を焦がす<ラブストーリー>でもあります。
深く重い題材とは裏腹に、抱きしめたくなるほど愛くるしい人々で満ち溢れた作品に仕上がっています。「まるで私のために作られた映画だ」と、切実に感じてくださる人がひとりでも多く生まれることを願っています。