万引き家族が盗んだものは?平和な一家と事件の匂い 是枝裕和新作、特報公開
『三度目の殺人』に続く是枝裕和監督14作目の長編映画『万引き家族』から、犯罪で生計を立てる不思議な家族の姿を映し出した、特報映像が公開された。
東京の下町で、ボロい平屋に暮らす5人の家族。実は、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人は、この家の持ち主である初枝の年金を目当てに転がり込み、万引きで生活費を稼ぐ“万引き家族”だった。近隣の団地の廊下で震えていた幼い女の子を連れ帰り家族に迎えた彼らは、貧しいながらも、なぜか笑いが絶えない家で仲よく暮らしていたが、ある事件をきっかけに、それぞれが抱える秘密が明らかになっていく。
『そして父になる』『歩いても 歩いても』など、さまざまな“家族のかたち”を描き続けてきた是枝監督が、「この10年間考え続けてきたことを全部込めた」と証言する渾身作。映像では、何気ない日常を切り取ったような美しい情景のなか、たくましく生きる家族の姿が映し出されるが、「内緒だぞ、俺たちは家族だ」という治のセリフが、一家にふりかかる波乱を予感させる。
息子と協力して万引きを重ねる父・治を演じるのは、『そして父になる』でも名演を見せたリリー・フランキー。その妻・信代を安藤サクラ、彼女の妹・亜紀を松岡茉優、祖母・初枝を樹木希林が演じる。さらに、池松壮亮、高良健吾、池脇千鶴、柄本明、緒形直人、森口瑤子ら実力派俳優が集結。家族の子供たちは、オーディションで選ばれた子役の城桧吏(じょう・かいり)と佐々木みゆの2人が演じた。
ポスタービジュアルでは、犯罪とは無縁に見える温かみある家族の笑顔が切り取られており、予想を裏切る展開にも期待。また本作の音楽は細野晴臣が担当することが決定しており、是枝監督とのコラボにも注目したい。(編集部・入倉功一)