ギレルモ・デル・トロ監督、ファン思いの来日エピソード!寄せ書きに込められた思い
16日、20世紀フォックス映画 営業本部 / FOXサーチライト シニアマネジャーの平山義成氏が、北海道夕張市で開催中の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018」内プログラム「映画業界ワークショップ」に出席。本年度アカデミー賞で作品賞・監督賞を含む4部門に輝いた『シェイプ・オブ・ウォーター』の来日PRの裏側で垣間見た、ギレルモ・デル・トロ監督の人柄について明かした。
20世紀フォックスの子会社FOXサーチライト・ピクチャーズは、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』『グランド・ブダペスト・ホテル』など世界中の賞レースをにぎわせたインディペンデント系の映画を多数制作・配給してきた映画会社。平山氏は同部門の日本での宣伝展開を手掛けている。
デル・トロ監督について、平山氏は「とにかく愛情にあふれていて、優しい人」と評する。今年1月に来日し、映画評論家の町山智浩氏とのトークショーに出席した際には、会場に集まったファンにデル・トロ監督が自ら「サインをするよ!」と呼びかけ、大勢のファンが殺到。ひとりひとりのサインの求めに丁寧に応じるデル・トロ監督だったが、日本の宣伝スタッフも「次の予定が入っているので、いつまでもやるわけにはいかない……」とやきもきしていたという。
その次の予定というのが、デル・トロ監督が敬愛するクリエイターたちが集まった交流会だった。しかし、移動中の車内でも「もっとファンにサインをしたかった……」としきりに語っていたというデル・トロ監督。そこで日本サイドから、デル・トロ監督と日本のクリエイターたちによるサインの寄せ書きを印刷したチラシの制作を提案。「“ファンの皆さんにサインをしたかった”という監督の思いをなんとか形にできないかと思い、(サインの寄せ書き)チラシを作ることを提案したら、ぜひやってほしい、と快諾してもらいました」と振り返った。
そして「これは実は、アメリカ時間の3月5日に送られてきたものなんです」と語った平山氏は、100人以上はいるであろう、大勢のスタッフが集まった一枚の集合写真を披露。「3月4日がアカデミー賞の発表だったんですが、それからひと晩明けた翌日の写真なんです。フォックス・サーチライトに、デル・トロ監督がお礼のために訪れて、あいさつに見えた時の写真です。やはりフォックス・サーチライトのみんなとお祝いしたかったんだと思います」と語る平山氏。誇らしげな顔で写るスタッフの写真を紹介する平山氏自身もまた、誇らしげな表情であった。(取材・文:壬生智裕)
「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018」は3月19日まで北海道夕張市・合宿の宿ひまわりをメイン会場に開催中