チケット高額転売が深刻化…きゃりーぱみゅぱみゅ、May J.ら現状訴える
ネットオークション、チケット転売サイトなどで、ライブ・コンサートや演劇、スポーツ試合の人気チケットが高額で転売されることが顕著となっている状況を受け、宇崎竜童、夏木マリ、May J.、ZEEBRAが、16日、衆議院第一議員会館で行われた「高額チケット転売に反対するアーティスト・アスリートの要望を議員有志が聞く会」に出席。きゃりーぱみゅぱみゅ、藤井フミヤ、織田信成、カンニング竹山らもビデオでコメントを寄せ、高額転売の現状を訴えた。
アーティストからの意見として、宇崎は「CDセールスが落ち、コンサートでの収益が、アーティストの制作を支えている現状で、高額転売は、アーティストのクリエイティブサイクルを壊してしまうほど、深刻化している」と指摘。May J.は「私のチケットが高額で転売され、会場の最前列真ん中が空席だったことが何度もあった。高い金額を支払わないと良い席で見られないことが当たり前になったら、ファンとアーティストの関係が壊れてしまう」と不安を口にした。きゃりーぱみゅぱみゅも「コンサートには小さいお子さんと、親御さんの世代を超えた幅広い年代のファンの方に足を運んでもらっている。迷惑行為は許せません」と訴えた。
同席した「コンサートプロモーターズ協会」会長の中西健夫氏によると「危機感を持ったのは、2016年ごろ。ある転売サイトが、転売が正当であるかのテレビCMを始めた」のがきっかけという。その後のリサーチで、ある人気アーティストのコンサートチケットの3分の1の枚数が、転売目的で転売屋にさばかれた例や、東京ドームコンサートの最前列、約150枚が30万円以上で転売された例、人気ミュージカルの数千円のチケットが99万円で販売されたケースがあるという。
「2020年東京オリンピック・パラリンピック大会推進議員連盟」幹事長の自民党・遠藤利明氏は、これを受け「東京オリンピック・パラリンピックのチケット販売が来年の春に始まる。その前に、法律の整備は不可欠」と話す。
また、超党派の議員が参加する「ライブ・エンタテインメント議員連盟」会長の自民党・石破茂氏は「チケットの高額転売について、きちんとした法規制が今までなかったが、それをやらねばならないという思いで、勉強を進めてきた。だが国民に『そうだ、そうだ』と言ってもらわない限り、推進力にはならない。多くの人が楽しめる日本の文化、芸術、スポーツの向上や、発信力を高めるためにも重要」とし「『今国会中に法案を通したい』と強調していた。(取材・岸田智)