性的人身売買を題材にしたサスペンススリラーとは?主演女優が明かす
映画『プレシャス』『ウォークラフト』などで注目された女優のポーラ・パットンが、新作『トラフィック(原題) / Traffik』について、4月19日(現地時間)、ニューヨークのAOL開催イベントで語った。
【写真】映画『ウォークラフト』での特殊メイク姿のポーラ・パットン
本作は、映画『UNCHAINED アンチェインド』のデオン・テイラーがメガホンを取ったサスペンススリラー作品。ジャーナリストのブレア(ポーラ)と恋人のジョン(オマー・エップス)は、ブレアの誕生日を祝うために、カリフォルニアの山奥に住む友人の家を訪ねるが、その途中のガソリンスタンドでバイクに乗った集団にからまれたことから、性的人身売買の事件に巻き込まれていく。
今作についてポーラは、「映画館を出る時には、サスペンススリラーを観たという感覚になっていると思うけど、従来のそれとは異なる部分があると思うわ。わたしが演じるジャーナリストは、ちょうど人生の分岐点にいるの。仕事場では、できるかぎり知的な(政治や刑事事件のような)アプローチをしたいけれど、(ゴシップの取材ばかりで)掘り下げた取材ができずにいて、(編集長と意見が衝突し)仕事を失う危機にさらされている。一方で、新しい恋人ができて、彼は彼女のことを愛しているけれど、彼女は過去の恋愛から、その恋を信じて思い切ることを恐れているの。そこで、彼らはロマンチックな旅に出たんだけれど、その途中で寄ったガソリンスタンドでトラブルが起きて、カオスな状態になっていくのよ」と説明した。
デオン・テイラー監督については、「わたしの友人がライオンズゲイトの傘下にあるコードブラック・エンターテインメントという会社を経営しているの。彼がデオンを紹介してくれて、その時に今作の脚本を読んだわ。デオンには、億万長者の友人がいて、彼が制作費を出してくれたことで、スタジオを介さずに制作できたの。だから、アーティストとして制作の自由を手に入れることができたのよ」と明かした。この億万長者の友人は、フォーブス誌の世界の長者番付に載るほどの富豪なのだとか。
性的人身売買については、「個人的には、現代の奴隷だと思っているわ。だから、性的人身売買を奴隷と呼ぶことができたら、この問題について、より多くの人に関心を持ってもらえると思うの。それを理解することで、(被害者のトラウマを)ようやく癒やすことができると思うわ」と彼女なりの見解を語った。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)