『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』最速レビュー:ネタバレ絶対厳禁も納得の衝撃度
映画『アイアンマン』(2008)からスタートしたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の10周年を飾る超大作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(4月27日公開)が24日にプレミア上映された。衝撃的な展開が冒頭から連続するが、緊迫した物語のなかにもマーベルらしいユーモアが散りばめられた本作の興奮は、最後の瞬間までやむことはなく、ネタバレ絶対厳禁と監督自身がTwitterで念を押したその理由が、物語が進むにつれて納得がいく。
ヒーローたちはどうなる?『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』予告編
己の信念に基づきあらゆる惑星で住民の半分を虐殺してまわる最強の敵サノスと、幾度も人類の危機に立ち向かってきたチーム、アベンジャーズの激突を描く本作。サノスという圧倒的な悪役を柱に、さまざまな場面で展開するヒーローたちのドラマがクライマックスに向けて収束していくさまは名作群像劇を観ているような感覚を覚える。
もちろん、マーベルファンが夢にまで見たヒーローたちの出会いと共闘のドラマは、そのどれもがおのおのキャラクターが背負う背景がより鮮明に浮きぼりになり、期待以上のカタルシスを感じることができる。アベンジャーズ同士の激突を描いた『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)で、主役級ヒーローたちの複雑なドラマをまとめてみせた兄弟監督アンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソの手腕は本作でも健在だ。
そのうえで、あらためて感服するのは、MCUを支えてきた俳優陣の実力。アベンジャーズの中心であるアイアンマン役のロバート・ダウニー・Jr、キャプテン・アメリカ役のクリス・エヴァンス、ハルク役のマーク・ラファロ、ソー役のクリス・ヘムズワース……マーベル映画と共に歩んできた彼らだからこそ、見せ場を分け合いながも、各ヒーローがうちに秘めた感情を見事に表現できたといえるだろう。
そしてそれは、最強の敵として君臨するサノス役を務めたジョシュ・ブローリンの演技も例外ではない。いかにも“ラスボス”といった風貌からは想像できないほど複雑な感情を見せる彼の存在は、マーベルの歴史において、最も魅力的な悪役として記憶されるはずだ。
そして、ただただ呆然とするしかない衝撃の展開は、本作の公開前、ルッソ兄弟が自身のTwitterで、鑑賞後もネタバレをしないでほしいとファンにわざわざ念押ししていた理由がよくわかる。これまでに飛び交った、さまざまな予想を覆すものになっていることは間違いがなく、あらゆる感情が押し寄せる。この結末は、大勢の観客と一緒に劇場で体験するべきだろう。(編集部・入倉功一)