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三船敏郎さんの豪快エピソードは本当だった 息子・史郎が明かす

三船敏郎さんの豪快なエピソードを語り合った水道橋博士、香川京子、司葉子、三船史郎、AKIRA
三船敏郎さんの豪快なエピソードを語り合った水道橋博士、香川京子、司葉子、三船史郎、AKIRA

 『用心棒』『赤ひげ』でベネチア国際映画祭男優賞を2度受賞し、2016年にはハリウッドの殿堂入りを意味する「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェーム」にその名が刻まれるなど「世界のミフネ」と称賛された名優・三船敏郎さん(1920~1997)に迫るドキュメンタリー映画『MIFUNE:THE LAST SAMURAI』が公開となり、12日、都内で行われた初日舞台あいさつに出演者の女優・香川京子司葉子、三船さんの長男で映画プロデューサー・俳優の三船史郎、三船さんの大ファンでナレーションを担当したEXILEAKIRAが登壇。進行役の水道橋博士(浅草キッド)と共に、三船さんの人柄が偲ばれる豪快で、微笑ましいエピソードの数々を語り合った。

『MIFUNE:THE LAST SAMURAI』フォトギャラリー

 まず「三船さんが家にいるって、どんな感じだったんですか?」と水道橋博士に聞かれた三船史郎。子ども時代を振り返って「父は普段は、几帳面で物静かな性格なんですが、お酒を飲み過ぎると、家で真剣を振り回すなんてこともありまして」「私が小学生の頃には、セスナの免許を取るんだと頑張っていて、ちょうど母の日に学校で運動会があったんですが、父がセスナに乗ってやってきて、グランド上空を低空で飛んで、赤いカーネーションの花束をばらまいた、なんてこともありました」と豪快過ぎるエピソードで会場を沸かせる。

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 すると、『用心棒』『上意討ち 拝領妻始末』など11作品で三船さんと共演している司も「成城で仙川が氾濫したときに、自分のモーターボートを持ってきて、住民を救出したこともあったわね」と加わり、史郎は「成城警察から、あとで感謝状をいただいて、いまも家に飾ってあります」と伝説として知られる逸話が真実であったことを打ち明けた。

 一方『悪い奴ほどよく眠る』『天国と地獄』『赤ひげ』などで三船さんと共演した香川は「三船さんといえば、役柄から豪快なイメージですが、実はとても繊細で、困っている人を放っておけないんですよ。撮影で衣装さんが重い荷物を運んでいると、三船さんはそれをスッと持ってくれて、特に撮影所の女性たちは、みんなファンになっちゃう」と三船さんの微笑ましい一面も振り返った。

 水道橋博士が、かつて娘の三船美佳が明かしたこともある『スター・ウォーズ』のオビ=ワン・ケノービ役の出演オファーをジョージ・ルーカスから受けた際、三船さんが断った経緯を取り上げ「もしオファーを受けていたら、いまの若い人にも(三船さんは)とんでもない存在になっていただろうに」と残念がると、AKIRAは「三船さんが使っていた『用心棒』の台本を、今回、実際に見ることができて、天にあいさつしてから写メを撮らせてもらって、今はお守りにしています。若い世代の人も、本作を通して三船さんの人柄や生きざまから学べるものがある」と見どころをあげていた。

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 本作は、約170作の三船さんの出演作から『七人の侍』『蜘蛛巣城』『用心棒』『赤ひげ』などの黒澤明監督作や、稲垣浩監督の『宮本武蔵』などの代表作に焦点を当て、役所広司、香川、司、八千草薫ら三船さんを知る俳優や家族、スティーヴン・スピルバーグマーティン・スコセッシら映画監督へのインタビューと、貴重な映像資料で、その生涯と魅力をひもといていく。監督は『ヒロシマナガサキ』などのスティーヴン・オカザキ。三船さんの孫である三船力也もコンサルティングプロデューサーとして製作に参加した。(取材・文/岸田智)

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