邦画初!『パンク侍、斬られて候』主題歌にセックス・ピストルズ
芥川賞作家、町田康の同名小説を綾野剛主演、宮藤官九郎脚本、石井岳龍監督のタッグで映画化する『パンク侍、斬られて候』(6月30日公開)の主題歌が、イギリスの伝説的バンド、セックス・ピストルズの「アナーキー・イン・ザ・U.K.」に決定した。日本映画の主題歌にセックス・ピストルズの楽曲が公式に使用されるのは今回が初。
【動画】永瀬正敏演じる猿の大臼延珍も登場!『パンク侍、斬られて候』特報
江戸時代に生きる超人的刺客にして、自ら蒔いた種で生まれる大惨事に七転八倒する掛十之進(綾野)を主人公にした本作。先ごろ公開された特報など、そのぶっ飛んだ世界観が目を引くが、主題歌には伝説的UKロックが起用されることに。1970年半ばに発表されて以来、語り継がれてきた名曲の起用について、石井監督は「今回はこれしかない。あなーきー・いんざ・行(ゆ)けー!!」と楽曲タイトルをなぞるユニークなコメントを寄稿している。
そして、今回併せて発表されたのが、将軍の格好をした猿の大臼延珍(デウス・ノブウズ)を演じる俳優。その正体は、永瀬正敏。特報にもチラリと映っているが、まさか永瀬とわからないほど精巧なビジュアルになっているのは、「TVチャンピオン特殊メイク王選手権」で二連覇、「Make-up Artist Magazine」の「世界の注目アーティスト10人」に選出された特殊メイクアップアーティストのカリスマ、JIROのなせる技だ。
『ELECTRIC DRAGON 80000V』(2000)、『五条霊戦記//GOJOE』(2000)、『蜜のあわれ』(2016)に続き石井監督と4度目のタッグになるという永瀬は、「呼んでいただける度にとても嬉しいです。今回は町田康さんの原作ですし、世の中驚いちゃうんじゃないですかね。カテゴライズできない映画。ニューシネマができるんだと思います」と喜びのコメント。一方、石井監督の「(大臼役をやるなら)彼しかいない。圧倒的な存在感と演技力で作品の世界観の背骨となる」という言葉からは、永瀬に対するアツい信頼がうかがえる。
ちなみに永瀬は、町田の「屈辱ポンチ」収録の短編小説を映画化した『けものがれ、俺らの猿と』(2000)で主演を務めていた。(編集部・石井百合子)