ドキュメンタリー映画祭で大賞!14歳の少女が自閉症の弟を守る『祝福~オラとニコデムの家~』予告編
昨年の山形国際ドキュメンタリー映画祭2017で最高賞にあたるロバート&フランシス・フラハティ賞を受賞した、ポーランド発のドキュメンタリー『祝福~オラとニコデムの家~』(6月下旬公開)。本作の予告編で、わずか14歳にして、問題のある父親と自閉症の弟を支えながらたくましく生きる少女の生活が垣間見える。
【動画】山形国際ドキュメンタリー映画祭大賞受賞『祝福~オラとニコデムの家~』予告編
タイトルのオラとニコデムとは、家を出た母に変わって家族を守り続ける14歳の少女と、自閉症の13歳の弟の名前。14歳のオラは、弟ニコデムの初聖体式(カトリック教会で、洗礼後に初めて聖体をいただく式)が成功すれば、再び家族が一つになれると信じている。
予告編のオラは、初めは「大変らしいね」と声をかけられるも笑顔で「まあね」と返すなど気丈に見えるが、次の瞬間にはくしゃくしゃに顔を歪めていたり、父親を懸命に起こそうとしたりと受難の様子が。「この状況なら施設に入れるケースだ」など不穏な言葉も遮り、少女が対峙する現実の深刻さがうかがえる。そんな中、一縷の希望のように映し出されるのが姉弟が初聖体式の練習をする風景。
「自分自身が、この映画の少女だった」と語るアンナ・ザメツカ監督は、自分の経験を重ねながら、少女の日常を撮り続けて各国の映画祭で高い評価を受け、ヨーロッパで最も権威ある賞の一つであるヨーロッパ映画賞にも輝いた。(編集部・石井百合子)
映画『祝福~オラとニコデムの家~』は、6月下旬ユーロスペースほか全国順次公開