米作家トム・ウルフさん死去
小説「虚栄の篝火」やノンフィクション「ザ・ライト・スタッフ」を執筆した米作家・ジャーナリストのトム・ウルフさんが、ニューヨーク市内の病院で亡くなった。87歳。ウルフさんのエージェント、リン・ネスビットが ABC News に伝えたことで明らかになった。
【写真】トム・ウルフさん出演『ビル・カニンガム&ニューヨーク』
ウルフさんは、1931年ヴァージニア州リッチモンド生まれ。ワシントン・アンド・リー大学を経て、ニューヨーク・ジャイアンツのピッチャーのテストを受けるが不合格となる。その後、イェール大学でアメリカ研究を学び、アメリカの作家についての卒論を書いている際にリポーターの活動を始める。
そして、ワシントン・ポスト紙やニューヨーク・ヘラルド・トリビューン紙などで活動しているときに、ニュージャーナリズム(客観性を捨てて、取材対象者に積極的に関わり合うこと)を確立した。その間に小説やノンフィクションを書いていたが、注目されたのは「虚栄の篝火」や「ザ・ライト・スタッフ」だった。サブカルチャーや現代芸術にも長けていて、ニュース番組や情報番組などに出演することもあり、その際にトレードマークの白いスーツを着て番組に出演することが多かった。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)