巨匠ゴダールのミューズ役女優、日本でのフラッシュの多さに驚き!
フランス映画『グッバイ・ゴダール!』で巨匠ジャン=リュック・ゴダールの妻にしてミューズであったアンヌ・ヴィアゼムスキーを演じた女優のステイシー・マーティンが23日、同作の来日記者会見に出席。7歳から13歳まで日本で暮らしたことがあるというステイシーは「コンニチワ」と日本語であいさつすると、「日本はわたしの一部。(暮らしていた頃は)東京という町からたくさんのものをもらいました。また来られて嬉しいです」と話してにっこり。日本での注目の高さにも驚いたようで、フラッシュを浴びると、「失明しそう!」と声を上げていた。
ゴダール監督作『中国女』の主演女優であり、彼の2人目の妻でもあったアンヌ・ヴィアゼムスキーの自伝的小説を映画化した本作。若くしてゴダールと出会い、そのミューズとなったアンヌを演じたステイシーは「フランスではだれもが知っているゴダールを扱う映画。オファーをもらった時はとてもワクワクしました」と当初の心境を振り返る。
アンヌ役については「実在の人物を演じるわけではありますが、監督(ミシェル・アザナヴィシウス)は伝記物にはしないと話していて、アンヌを演じるにあたっても、その人そのものを演じるより、もっと抽象的な、あの時代の女性たちを包括したような女性を演じたつもりです」と回顧。
また、会場から「日本人にはあまりなじみがないゴダールですが……」という声があがると、「ゴダールのことなんて忘れてしまっていいと思います。だってタイトルからして『グッバイ・ゴダール!』なんですから」ときっぱり。「この作品はラブストーリーでありコメディーでもあるので、その部分だけでも十分楽しめると思います」と述べ、「ゴダールに関するプレッシャーは全く感じずに観てほしいです」とアピールした。
「個人的に映画はいろんなディスカッションのきっかけになるところが素晴らしいなと思っているんです。これはゴダールについて何かを決め付けた映画ではないんです」とステイシー。アンヌが生きた時代について「1960年代はエネルギーとかバイタリティーがあった時代だと思います」と興味深げで、「ひとりの役者としても楽に(時代設定に)入ることができましたし、ワクワクしながら演じることができました」と話していた。(取材・文:名鹿祥史)
『グッバイ・ゴダール!』は7月13日より新宿ピカデリーほか全国順次公開