第二の『るろ剣』に!実写『BLEACH』が目指すもの
全世界シリーズ累計発行部数1億2,000万部を突破する大人気コミックを実写化する映画『BLEACH』(7月20日公開)。ワーナー・ブラザース映画の小岩井宏悦エグゼクティブプロデューサーによれば、すでに続編を視野に入れており、ヒットを記録した『るろうに剣心』シリーズのようなアクションもののフランチャイズを目指すという。
2016年10月にマスコミ向けに公開された撮影現場で、企画説明を行った小岩井エグゼクティブプロデューサーは、『るろうに剣心』シリーズも手がけた人物。2012年から2014年にかけて三部作が公開された『るろ剣』の成功を経て、さらなるアクションフランチャイズを探していたという。「BLEACH」(作:久保帯人)の実写化権は米ワーナー・ブラザースが長く所有していたのだが、同作が描く“死神”などは米国では表現しにくいコンセプトであることから実現に至らず、2014年末から2015年初めごろに日本で製作する話が動き始めたそう。
今回の実写化は死神代行篇をベースに描かれる。小岩井エグゼクティブプロデューサーは「次は尸魂界(ソウル・ソサエティ)篇をやりたい」と原作の人気パートを挙げ、続編製作に意欲的。「やっぱり一本目が成功すると、それによってよりお金と時間をかけられて、より大きなものを世の中に提示できる。それがフランチャイズのいいところ。単に当たったら次をやるというのではなく、より良いものを提示するためにどうしても一本目の基礎が必要だという考え方です」と実写化へのアプローチについて明かした。
霊感が強い高校生・黒崎一護が突然、死神の力を与えられ、人の魂を食う虚(ホロウ)という悪霊たちと戦う姿を追うストーリー。主人公・一護役に起用されたのは、福士蒼汰。重要視したのは、福士が大きなフランチャイズ作品で主演を務めていない点だった。「どこか大きいフランチャイズの主役をやってしまうと当然そのイメージがつくので、ほかの作品を受けにくくなります。その意味で、まだ彼は大きなフランチャイズでの主役というのがないというのもあり、引き受けてくださいました」と小岩井エグゼクティブプロデューサーは説明する。
そして、メガホンを取るのは、『図書館戦争』シリーズでも福士とタッグを組んだ佐藤信介監督。『GANTZ』などでわかるCGを使いこなす佐藤監督のセンスが、本作の世界観の表現に必要不可欠だったといい、撮影がクランクアップしたのち、1年以上の時間をかけてCGを作り上げた。取材が行われた2016年当時、小岩井エグゼクティブプロデューサーは「続編のシナリオを作って2018年の結果を待つ」と語っていたが、そんな映画『BLEACH』が満を持してこの夏、公開を迎える。(編集部・小山美咲)