『ハン・ソロ』ロン・ハワード監督、黒澤明の言葉を胸に新作撮影
映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』来日記者会見が11日に都内で行われ、来日したオールデン・エアエンライク、チューバッカ、ロン・ハワード監督が出席した。
本作は「スター・ウォーズ」シリーズ屈指の人気を誇るハン・ソロが、いかにして生涯の相棒チューバッカと出会い、愛すべき悪党となったのか、知られざる“若き日”を描いた話題作。
ロン監督は「クリエイティブで、とてもワクワクするアドベンチャーのような体験でした」と撮影を振り返ると、「『スター・ウォーズ』シリーズの全ての作品の核に、日本でいう名誉や志があり、日本の文化や黒澤明監督から与えられたインスピレーションが登場人物の行動や精神に表れているので、本作でもそれは大切にしました」とコメントした。
さらに、『ウィロー』のプロモーションで来日した際、黒澤監督と映画作りの話をしたことを回顧し、「作品が持つリズム」「天気や環境を味方につけて、自分が語る物語に上手く盛り込むこと」「シーンの移行が持つ力」、とりわけ「監督とキーになる二人でコラボレーションし、トライアングルとなって作品を作ること」を教わったことを紹介。続けて、「今回はプレッシャーも大きく、複雑な挑戦である中、脚本家チーム、プロデューサーチーム、自分のトライアングルを作り、さまざまな問題に立ち向かいました」と黒澤監督の言葉を胸に取り組んだことも報告した。
3,000人が参加したオーディションで若き日のハン役を勝ち取ったオールデンは、「合格から3か月間は誰にも言っちゃダメだったんだ」と歯がゆい思いをしたことを明かしつつ、「世界中の多くの方に愛されている作品の一部になることは大変光栄なこと。楽しくてワクワクしました」と感激の面持ち。撮影中は「理想主義の若き日の彼を演じているので、やがて皆さんが知っているハン・ソロになる人物としての一貫性」を大切にしていたという。
また、ハリソンとは彼の5機あるプライベートジェットの格納庫で会ったそうで、「必要なことはすべて教えてもらいました」と言いながらも「内容は一切口外しないようにと言われています」とニヤリ。しかし、「ハリソンはとても映画を気に入ってくれた」と打ち明けると、「それが私たちにとって一番大切なこと」と嬉しそうに話した。
撮影中の印象的な出来事を尋ねられると「CGが少ないので、現場では本当にエイリアンやパペットが動いていたり、爆発が起こったり、グリーンバッグではなく、宇宙が投影されたスクリーンを前にしてミレニアムファルコンを自分で飛ばしていたので、ディズニーランドのアトラクションで究極の冒険に出ているような気分でした」と笑っていた。
そんなオールデンの演技について「撮影初日から感服し通しだった」と目を丸くするロン監督は、「スター・ウォーズシリーズは群像劇が多く、一人のキャラクターに全てがかかっているのは初めてだったけど、オールデンは素晴らしいプロフェッショナリズムを持って見事にやりきってくれた。その姿にリスペクトと感謝の念を抱きます」と称賛の言葉を送っていた。
この日は、日本語吹替え版に声優としてカメオ出演している歌舞伎俳優の市川海老蔵も来場し、オールデンらに「隈取り」をプレゼント。そして、映画デビューが父親と一緒に観た本シリーズの一本であることを明かすと、「今回は、私が父に連れられた新宿の映画館辺りに二人(の子供)を連れて行こうかなと思っています」とにこやかに話していた。(取材:錦怜那)
映画『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』は6月29日より日本公開