永瀬正敏、ジュリエット・ビノシュと奈良デート!『Vision』撮影裏話
映画『Vision』公開記念舞台あいさつが9日に都内で行われ、フランスの名女優ジュリエット・ビノシュ、永瀬正敏、夏木マリ、岩田剛典(EXILE / 三代目 J Soul Brothers)、美波、河瀬直美監督が登壇。永瀬とビノシュの“奈良デート”など、撮影裏話を語った。
ジュリエット・ビノシュ来日!『Vision』キャスト陣【写真】
本作は、奈良・吉野の山深い森を舞台に、幻の植物“Vision”を探しにやってきたフランス人エッセイストのジャンヌ(ビノシュ)と山守の男・智(永瀬)を軸に、森で出会った人々の数奇な運命を描いたヒューマンドラマ。
PRのために来日するのは約1年ぶり・4回目となるビノシュは「コンニチハ。ミナサン、アイシテマス」と手に書いたカンペを見ながら可愛くあいさつ。人生で一番大切なことは「考えや気持ち、文化や知識をシェアすること」だと思っているビノシュは、「本当に素晴らしい体験をさせていただきました。これまで、日本では東京、京都、大阪など都会に行っていましたが、今回は奥深い吉野に招待される形で入っていくことができました。そこで大切なものをシェアできました」と“シェア”という言葉を用いてうれしさを表した。
また、ジャンヌが吉野に向かう電車の中で、トンネルを抜けた瞬間に涙を流すシーンは台本になかったという。その涙によってジャンヌの心情が共有できたことを、河瀬監督が「心が震えた」と称えると、ビノシュは「あの時の涙はシェアできたことに対する嬉し涙だったかもしれません」と語った。
一方の永瀬は、本作の試写を観てから感動のあまり「ずっと震えっ放し」だそうで、公開を迎え、ビノシュも来日し、「もっと震えの幅がでかくなっている感じです」としみじみ。そんな中、河瀬監督から「(ビノシュと)奈良の談山神社でデートをしていただきました」と報告が。それは役づくりの一環だが、永瀬は「昼ご飯を食べて、森を歩いたりしたんですが、『非常に美しい』と言ってらっしゃった姿がジャンヌとリンクしてステキだなと思いました」と述懐。
すると美波も「(ビノシュが)自分の役や土地のことを知ろうと古事記や空海のことまで勉強していてパッションを感じました」と明かす。河瀬監督も「一流とはどういうことか?(と聞くと)『努力している』と言っていました」とその姿勢に感心していた。
最後に、ビノシュが「誰もが自分の影の部分を明るくしたいときには、その影や苦しいことと向き合わなければいけないけど、それをすることで成長できるし、何かを変えることもできると思います。この映画は、その可能性に対するシンボルだと思う」と呼び掛けると、永瀬も「たくさんの愛がこの映画に詰まっています」とアピールした。
この日、永瀬から特製和傘をプレゼントされる場面もあり、ビノシュは「世界に一つだけの傘をパリで本当にさす勇気があるかな……」と戸惑いながらも、「アリガトーゴザイマス。うれしいです」と喜んでいた。(取材:錦怜那)
映画『Vision』は全国公開中