大泉洋、父の教えを披露 食べ物を捨てる時は食べて判断
俳優の大泉洋が13日、東京・赤城神社で行われた映画『焼肉ドラゴン』(6月22日公開)の大ヒット祈願イベントに、共演の真木よう子、大谷亮平、鄭義信監督とともに出席。時代の波に翻弄されながらたくましく生きる家族の絆を描く本作にちなみ、自身の家族の家訓を巡るトークを展開した。大泉は「『食べられるか食べられないかは、食べて判断する』ってこと、これはうちの親父から学びました」と答え、笑いを誘った。
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トークのテーマについて、最初は「家訓なんてある家、あります?」と言っていた大泉だが「うちの親父は、食べ物を捨てるのはもったいないと、とにかく捨てられない人で、その親父がよく言っていたのが『食べられるか、食べられないかは、食べて判断する』。腐ってるかもしれないけど、食べて判断するんだと、親父から学んで、わたしは実践してます」と父親から受け継いだユニークな習慣を紹介。「うちの妻が『捨てるよ』って言っても『ちょっと待ちなさい』と。わたしが一回食べて『うん、腐ってる、捨てなさい』、それでやっと捨てる。賞味期限とかに踊らされるんじゃなく、食べて判断しなさいと」と力説した。
その後、大谷が「うちの母は『コーヒー1杯をケチる人間は大成しない』とよく言っていて、大切な人やお世話になっている人に、コーヒーをおごるのを迷うようなケチな人間になるなと言ってました」と大谷家の教えを紹介。すると大泉は「さっき楽屋でマネージャーが、僕の大事なヤクルトを見て『2本ぐらい(もらって)いいですか?』って軽く言ってきたけど、このあと地方に行くから『これは家から持ってきた1週間分の大事なヤクルトなんだ』って、1本しかあげなかった。でも(大谷さんの)お母さんがそういうなら、もう1本あげるわ……」と大泉が大谷に感化される一幕も。
本作は、映画『月はどっちに出ている』『愛を乞うひと』『血と骨』などの脚本で知られる鄭が作・演出し、国内の演劇賞を総ナメにした同名舞台を、自ら初めてメガホンを取り映画化。万国博覧会が開催された1970年の関西の地方都市を舞台に、小さな焼肉店を営む一家が、つらい過去を抱えつつ、前を向いて生きようとする姿を描くドラマ。6人家族の長女・静花を真木、次女・梨花(井上真央)の婚約者で、幼なじみの静花への思いを秘める哲男を大泉、三女・美花(桜庭ななみ)の不倫相手・豊を大谷が演じる。
大泉は、本作について「お話は素晴らしいのに、タイトルだけが良くなくて、この映画をちょっと太り気味の拳法使いが、焼肉屋で暴れる映画と思う人がいるかもしれない。わたしも最初はそう思ってました」とおどけつつ、舞台版への並々ならぬ思い入れを述懐。「10年前、舞台初演が始まると『すごいぞ』と噂が広がって、とにかくチケットが取れずに、わたしは北九州まで行って初演を観ました。本当に感動的な舞台で、それが今も忘れられない。それが映画化されたわけですから、舞台に負けず劣らずの、素晴らしい感動巨編になっています」と映画の魅力をしっかりアピールしていた。(取材・文/岸田智)