木竜麻生のイッチャナ節に東出昌大も感激「嘘のない映画」とアピール
かつて日本全国で興行されていた「女相撲」の一座と、実在したアナキスト・グループ「ギロチン社」の青年たちを描いた映画『菊とギロチン』のヒット祈願法要・女相撲土俵入りイベントが27日、東京・両国の回向院(えこういん)で行われ、新人力士役で主演を務めた23歳の新星・木竜麻生をはじめ、東出昌大、寛一郎、韓英恵、渋川清彦、嘉門洋子、前原麻希、仁科あいらキャスト、監督の瀬々敬久が集結した。
【写真】木竜麻生、東出昌大、寛一郎『菊とギロチン』ヒット祈願へ
大正末期、関東大震災後の日本を舞台に「女相撲」の一座と「ギロチン社」の若者たちが“自由”を求めて疾走する姿を描く本作は、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』『友罪』などの瀬々監督が構想30年を経て、クラウドファンディングで資金を募って完成させた青春群像劇。イベントが行われた回向院は江戸から明治にかけて勧進相撲(かんじんずもう)が盛んに行われた場所で、「女相撲興行」も実施されたことから祈願の場所として選ばれた。イベントでは本殿でヒット祈願法要が行われ、その後、本殿前の参道で土俵入り、イッチャナ節の奉唱が行われた。
ヒロインの新人力士・花菊役を演じる木竜はキャスト勢ぞろいの場で緊張気味。劇中でも歌われるイッチャナ節を力強く歌ったあとは「公開までこれからも頑張っていきますのでどうぞよろしくお願いします」と笑顔であいさつ。
「ギロチン社」のリーダーで実在した詩人の中濱鐵役の東出は、このイッチャナ節の奉唱に感激した様子で、「今のイッチャナ節の女性陣を見ていただいてわかるようにアツい映画になっています。嘘のない映画になっています」と共演陣の熱演を力強くアピール。「今見ると残酷に映るかもしれませんが、とてもリアリティーのある作品になっていると思います。約3時間と長尺の映画ですが濃いものを残せるんじゃないかなと思っております」と自信を見せた。
また、俳優・佐藤浩市を父に持つ寛一郎も「撮影以降お仕事で皆さんと会うのは久しぶり。皆さんの熱い気持ちで必ずヒットできると信じています」と嬉しそうに述べたが、瀬々監督からは「寛一郎は初日の舞台あいさつでおそらく号泣すると思います」と声をかけられ「しません!」と照れくさそうな表情。現場では監督から木竜、寛一郎ら若手に厳しい演技指導があったようで、瀬々監督は「木竜さんにも、『このままだと(他の役者に)仕事をとられてしまうぞ』と言ってしまいました」と話すなど、今だから言える撮影の裏側を明かして会見を盛り上げていた。(取材・文:名鹿祥史)
『菊とギロチン』は7月7日よりテアトル新宿ほかにて全国順次公開