中野裕之監督、公開直前に再編集!『ピース・ニッポン』に込めた熱い思い
8年間で全国47都道府県・200か所以上で撮影した絶景映像を厳選し、4K解像度で映画化した『ピース・ニッポン』の初日舞台挨拶が14日に都内で行われ、中野裕之監督が本作に込めた熱い思いを語った。この日のMCは中野監督とは30年来の仲でもあるラジオパーソナリティーの渡辺祐が務めた。
製作のはじまりは、中野監督が2011年の東日本大震災後に「自分に何ができるか……」と3か月ほど考えた際、「映像で残すことをはじめてみよう」と思ったことで、現状は「東日本大震災のボランティアが今でも続いている」感じなのだとか。しかし、公開を迎えたことで一区切りがついたようで、「今度は今あまりピースではない西日本にどう協力すればいいかな……」と豪雨による甚大な被害をこうむっている西日本を思いやった。
自身が実際に撮影したのは約160か所もあるが、それ以上の苦労として、マスコミ試写も終わり、あとは公開を迎えるだけというタイミングで再編集したことを告白。例えば「日本は一日に降る降雪量と、一冬に降る降雪量が世界一」というナレーションについて、数字を再度チェックしたところ、「昨年イタリアで一日に(日本の)90cmオーバーの250cmが降ったと出た」ために、「日本は世界一の豪雪地帯」と修正。そうなると他もチェックせざるを得なくなり、それによって変更か所が見つかったという中野監督は「冷や汗ダラ~」と当時の様子を振り返り、苦笑いを浮かべた。
各所での許可取りも自ら行った中野監督は、「これまでプロの方にやってもらっていたので、本当にありがたいと思いました」としみじみ。電話が苦手らしく、何度も一人で練習してからかけたり、思いの丈を長々と綴って送ったFAXに対して、「箇条書きでください」とダメ出しをくらったりしたことを回顧。中には「2010年に許可をもらったお寺に『映画が公開します』と報告すると、『何の話ですか?』と言われて、また最初から説明した」こともあったそうで、制作期間が長期にわたったが故の苦労を切々と語っていた。
中野監督は「感慨深すぎて実感がなく、パンフレットを見るだけで涙が出る感じ」と吐露。そして、「26館でスタートするけど、47都道府県に届かないことには……」と心配すると、「どうすればいいかはわからないけど、(興行)成績がどうのこうのなので、本当にお願いしたい」と観客にSNSなどでの拡散を呼びかけていた。(取材・文:錦怜那)