福山雅治×石田ゆり子で大人の恋愛「マチネの終わりに」映画化
芥川賞作家・平野啓一郎の恋愛小説「マチネの終わりに」(2016年刊行、毎日新聞出版)が、福山雅治と石田ゆり子の共演で映画化されることになった。
6年間にたった3度の出会いで誰よりも深く愛し合う二人をつづり渡辺淳一文学賞を受賞した「マチネの終わりに」は、日本、パリ、ニューヨークを舞台に40代の男女の愛を描いた大人のラブストーリー。主人公の天才クラシック・ギタリスト蒔野聡史を福山、フランスの通信社に所属するジャーナリスト・小峰洋子を石田が演じる。海外が舞台のため、英語やフランス語での演技もあるという。CMやバラエティー番組では共演したことのある福山と石田だが、俳優としては今回が初共演。天才ギタリストとして名を馳せるもスランプの苦悩を抱える蒔野と、婚約者がいながら蒔野と惹かれ合い、かなわぬ恋に翻弄される洋子をそれぞれ体現する。
監督は、福山主演の「ガリレオ」シリーズや『昼顔』の西谷弘。撮影は9月中旬から11月末まで、日本、パリ、ニューヨークで行われる予定。映画『マチネの終わりに』の公開は、2019年秋を予定している。以下、福山、石田、西谷監督、原作者・平野のコメント全文。(編集部・小松芙未)
【福山雅治】
「それでも、人は人を愛さずには生きていけない」。長く余韻が残る読後感でした。恋愛する、恋愛しないに関わらず、どんな生き方も許容する現代において、「愛」とはどのような意味を持つのか? 人が人を必要とするその時に名付けられる「愛」という感情。目には見えない無形の感情を、今作は可視化出来るのではないかと感じています。信頼する西谷監督の元で、深く原作に引き寄せられ、まさに洋子そのものが身体に宿っておられるであろう石田さんと、蒔野聡史として向き合えるよう頑張ります。
【石田ゆり子】
こんなふうに人を愛せたら…そんな気持ちで一気に読み終えた「マチネの終わりに」の映画化に参加できることに心震える想いです。初めてご一緒する西谷監督のもと、そして初共演の福山雅治さんと共に、この素晴らしい物語の中に生きることはこの上ない喜びです。私の演じる小峰洋子という女性は、人としても女性としてもこのようでありたいと憧れるような存在で、この役を演じることに背筋が伸びる想いです。かつてこんなラブストーリーがあっただろうかと思うほどこの物語は多面体で、知的で社会的でもあります。人を愛するということの素晴らしさと切なさがほとばしっている物語。緊張もしますがクランクインが楽しみでなりません。
【西谷弘監督】
今作は珠玉のラブストーリーであると同時に、要の一つとして、主人公が奏でるクラシックギターの旋律があります。この音色という登場人物をどう映像化できるかが最大の課題だと思っています。主演の福山雅治さんはギタリストとしても最高峰の人。誰もが得意分野を演じると思われるでしょうが、今回、彼が手にするクラシックギターはエレキやアコギとは全くの異種。常に高みを目指す福山さんらしいチャレンジングな作品になるでしょう。
そして、ヒロインにはこれ以上ない適役の石田ゆり子さん。初共演の二人がどんなハーモニーを奏でるのか。まるで指揮者のような想いで今から心躍らせています。
【平野啓一郎(原作者)】
僕の小説は映画化が難しく、これまで実現したことがなかったので、とても楽しみにしています。この分断と対立の時代に、様々な愛が交錯する美しい物語を通じて、見る人が精神的な高揚感を得られるような映画になることを期待しています。福山雅治さん、石田ゆり子さんが、原作を気に入って下さっていることを耳にし、喜んでいましたが、まさか、お二人が蒔野聡史と小峰洋子を演じて下さるとは! 映画の完成を首を長くして待っています。