『銀魂2』柳楽優弥、かっこ可愛い土方に注目!ギャップを見せる役づくり
週刊少年ジャンプの人気漫画を実写化した映画『銀魂』。1作目は大ヒットし、続編『銀魂2 掟は破るためにこそある』がもうすぐ公開される。小栗旬演じる銀髪天パの主人公・坂田銀時をはじめ、個性あふれる魅力的なキャラクターがたくさん登場する同作。そのなかでも屈指の人気キャラ・土方十四郎を演じる柳楽優弥に、彼の描く土方像と役づくりの裏側を聞いた。
「土方はすごくかっこいいのに、どこかに詰めの甘さがあるみたいな……要するに決まりすぎない。親しみやすさが自然と出ちゃうキャラクターなんです」
柳楽が魅力を語る土方は、舞台となるパラレルワールドの江戸の治安を守る警察組織・真選組の副長。自身が定めた厳しい法度を隊士に徹底させるスパルタぶりから“鬼の副長”と恐れられている。かっちりとした制服、V字前髪と、くわえタバコが特徴の男。柳楽によれば土方は、外見通りかっこよく、それでいて可愛らしいところもある。例えば、クールなイメージとは裏腹に極度のマヨラー。柳楽は「こういう知り合がいたら、めちゃくちゃ面白いだろうなと思います」と土方の愛されキャラぶりを語る。
「共感できる点や、あこがれるなと思えることばかり。まったく嫌いになるところがない」と話す柳楽が作り出す土方像の裏にあるのは、実は柳楽自身の感性によるものも大きい。「前作の撮影前に福田(雄一)監督から原作を読み込まないでいいと言われたんです。でもこわくて読んじゃいました(笑)。実写化作品って原作を読むとやっぱり意識しちゃうんです。だから『2』こそ絶対に原作を読まず、アニメも観ず、自分が思った土方を演じることに徹しようと、余計なことを考えすぎずにやりました」
そんな『銀魂2』が描くのは、原作の真選組動乱篇と将軍接待篇が融合した物語。真選組の内部分裂がフィーチャーされるとあって、柳楽が演じる土方への期待は前作以上。柳楽は「1本通っているけど、隙がある」という土方の良さは脚本で出来上がっていたと前置きしつつ、「難しいのはカッコいいだけでなくチャーミングな一面があるところ」と苦い表情。その上、今回の土方は気弱なオタク人格に身体を乗っ取られて“トッシー”となってしまう。
「現場に入る前から『これだけはやりたい』ということとして、土方とトッシー、しっかりとした幅があるキャラクターをできる限り成立させたいと強く思っていました。最近いろいろなキャラクターを演じる機会が多いので、そういう自分の経験をここに詰め込めたらいいなという気持ちが大きかったんです」
土方本来の人格とトッシーは、一見すると真逆と言っていいギャップのある者同士。その2つをはっきり演じ分けながらも、どこか共通する愛嬌がのぞくところに、柳楽ならではの味と経験値がいかされているように見える。原作の人気キャラクターを演じることについて、前作の撮影時と同じように「こわい」と繰り返していた柳楽だが、それは演じることへの思いが深いからこそ。原作人気を意識して「緊張しすぎていた」部分は、前作の経験を経て「いい意味での緊張感に変わり、少し余裕ができたかもしれない」とも明かしていた。
ちなみに、土方は超がつくほどのヘビースモーカー。前作の撮影では、タバコをくわえながらセリフを言うことにかなり苦戦していた様子だったが、今作で“くわえタバコ”は克服できたそう。「タバコをくわえながら話しているシーンが多いです。以前は、接着剤とかでくっつけなければしゃべれないんじゃないか! くらいに思っていましたが、意外と慣れるものなんですね(笑)」
「全力を出し切って演じた」という土方以外に、柳楽が魅力的に感じる登場人物を尋ねると、「山崎とかも地味に好き」と言いながらも、「やっぱり近藤さん」と真選組の局長・近藤勲を選択。副長の土方は、近藤の右腕として組織を支えるポジションであることから、見えるものも多いのかもしれない。「やっぱり近藤さん、(中村)勘九郎さんが中心でいてくれているからこそ、僕たちが遊べている場面も多いと思います。勘九郎さんがいると場が引き締まる。役と自然と重なりました」と近藤とそれを演じた中村勘九郎を重ねていた。(編集部・小山美咲)