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誹謗中傷された『スター・ウォーズ』アジア系女優、胸中を明かす

世の中を変えたいと願っている - ケリー・マリー・トラン
世の中を変えたいと願っている - ケリー・マリー・トラン - Jeff Kravitz / FilmMagic / Getty Images

 映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』でレジスタンスの整備士ローズを演じたベトナム系アメリカ人女優ケリー・マリー・トランが、今年6月に人種差別などの誹謗中傷を受けてInstagramの投稿を全削除したことについて、The New York Times 紙にコラムを寄稿し、初めて胸の内を明かした。

【写真】『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』でのケリー

 アジア系女優として初めて『スター・ウォーズ』正史の主要キャラクターを演じたケリーは、人々の人種差別的な言葉に傷ついたというよりも、それを事実として信じ始めてしまったとその時のことを振り返る。「有色人種の女性として生きてきて『私は社会の末端に属していて、みんなの人生において脇役にしかなり得ないんだ』という、とっくに分かっていたことを、そうした言葉の数々が裏付けた」。

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 「もう捨てたはずだった感情が、そうした言葉によって私の心の奥底から蘇った。それは周りの子供たちにからかわれることに嫌気がさして、ベトナム語を話すのをやめた9歳の時と同じ感情。もしくは、17歳の時に白人のボーイフレンドと彼の家族とディナーを食べに出かけ、完ぺきな英語で注文したらウェイトレスに驚かれて『まあ、交換留学生を受け入れているなんて素敵ね!』と言われた時と同じ感情」。

 周囲と同じ見た目じゃないだけで自分には“居場所がなくて、優れていないんだ”という考えが、今回の件でより強固なものになってしまったという。「この感情が、今も昔も、私を“みんなとは違う人”にしたもの、つまり私のルーツである(アジア系の)文化に対する恥じらいから来ているということに気が付いた。私にとって一番悲しいことは、いやしくもそれ(恥)を感じてしまっていること」だと打ち明けた。

 「アジア人でなければよかったのに」と自己嫌悪に陥り、引き裂かれる思いだったが、その時に“人は誰かに認められてこそ存在意義がある”と世の中に洗脳されていたと気付いたというケリー。そう気付いてからは、自分に対してではなく、自分とは違う人に対して心ない態度を取るこの世の中こそ恥ずかしいと思うようになったと述べている。

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 それでも、この世の中を見捨てるわけにはいかないと思っているケリーは「有色人種の子供たちが『白人になりたい』と願わずに済む世の中を生きたい。人種、宗教、社会階級、性的指向、性別や能力を問わず全ての人々が“人”として扱われる世の中を生きたい。これが私が住みたいと思える世界だし、私がこれからも(世の中が変わるために)行動を起こしていく世界だ」「こういった考えが、私が脚本や本を手にしたときに浮かんでくるものだ。私が貴重な機会を与えてもらっているのは理解している。この経験を世に広めていける数少ない一人だと理解しているし、それがどれだけ大事なことかも理解している。だから私は絶対に諦めない」と力強くつづっている。(BANG Media International)

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