「サザエさん」元磯野フネ役 麻生美代子さん死去 92歳
国民的人気アニメ「サザエさん」で、磯野フネの声優を務めた麻生美代子さんが、8月25日に老衰のため亡くなった。92歳だった。麻生さんの所属事務所が発表した。
麻生さんは、1969年10月の「サザエさん」初回放送から2015年9月まで、46年にわたり磯野フネの声優を担当。その他、アニメ「アルプスの少女ハイジ」のロッテンマイヤーや「鋼の錬金術師」のピナコ・ロックベルの声を担当した。また、テレビ番組「和風総本家」のナレーションも務めるなど、幅広い活躍を見せた。
通夜葬儀に関しては、親族の意向により近親者のみで執り行われた。麻生さんの訃報を受け、アニメでサザエさんの声を担当する加藤みどりさん、タラちゃんの声を担当する貴家堂子さん、アニメ「サザエさん」スタッフがそれぞれ追悼のコメントを発表している。
以下、追悼コメント全文(編集部・倉本拓弥)
加藤みどりさん(サザエさん役)
「放送が始まった時は私が一番年下だったのですが、それからずっと、何かあればいつも麻生さんに相談できて、頼りになる先輩でした。現場でもムードメーカー的な存在なので、『サザエさん』の中でも外でも麻生さんがいれば安心してやってこられました。趣味人でもありいろんなことに前向きな方で、80歳になられても声が出るし、滑舌も良く、先輩として皆の目標になっていました。なので、私の中では同じ形で麻生さんが生きているような感じがして、懐かしい思いがします。どこにいても、麻生さんは麻生さんです」
貴家堂子さん(タラちゃん役)
「とても残念でさびしいです……。安らかにお眠りください」
アニメ「サザエさん」スタッフ一同
「放送開始から46年の間、麻生さんに演じ続けて頂いたフネさんは、優しくてしっかり者でありながらかわいらしいところもある、磯野家の自慢の母でした。ひとりの女性として誰もが憧れるフネさん像を築いてくださったことに、ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。『サザエさん』スタッフ一同、これからも麻生さんの思いを大切につないでいきたいと思います。本当に、ありがとうございました」