『キミスイ』アニメ版!高杉真宙の声に注目
実写映画版のヒットも記憶に新しい、住野よるの小説「君の膵臓をたべたい」の劇場アニメが公開中だ。メインキャラクター「僕」の声を担ったのは、若き実力派俳優・高杉真宙。これがアニメ声優初挑戦となった高杉の演技にも注目したい1作に仕上がっている。
「君の膵臓をたべたい」は、同級生の「僕」と膵臓(すいぞう)の病気を患う同級生・山内桜良との交流を描いた物語。2017年に公開された実写映画では、浜辺美波と北村匠海がダブル主演を務め、スマッシュヒットを記録した。
そんな話題作の劇場アニメで「僕」の声優を務めた高杉は、2013年から翌年にかけて放送された特撮ドラマ「仮面ライダー鎧武/ガイム」で注目を浴び、それ以降も出演作が相次ぐ22歳の若手俳優。最近では映画『散歩する侵略者』『世界でいちばん長い写真』『虹色デイズ』や、映画化も決定しているドラマ「賭ケグルイ」などに出演した。
そして、高杉にとってアニメ声優デビュー作となった『君の膵臓をたべたい』。マンガやアニメが大好きで、いつか声の仕事にチャレンジしてみたいと思っていたという高杉は、並々ならぬ覚悟で今作に挑んだよう。公開初日の舞台あいさつでは感極まって涙する一幕があった。涙を見せまいとこらえていた高杉だが、「大好きな作品になりました。観る人が(自分と同じように)大好きになってくれたらいいなと思います」と涙ながらにスピーチした。
プレッシャーもあったであろうアフレコについては、桜良役の声優・Lynnに助けられた部分も大きかったという。完成披露試写会の際には、「Lynnさんのおかげで『僕』というキャラクターを必死に演じることができたと思いますし、Lynnさんの演技に乗っからせていただいたところがあります」と明かしていた。そんなLynnからは「高杉さんの声を初めて聞いたときに、これが『僕』なんだとしっくりきた」と称賛の言葉がおくられた。
劇中では、もともとの魅力である高杉の落ち着いた声音と「僕」とのイメージがぴったりとマッチ。高杉の強みである繊細な心の機微を表現する演技力は、声だけの演技であっても健在で、観客がキャラクターに寄り添えるストーリー展開において大きな役割を果たしている。
高杉とLynnのほか、ボイスキャストには藤井ゆきよ、内田雄馬、福島潤、田中敦子、三木眞一郎らがそろう。アニメーション制作をアニメ「うしおととら」「アイドル事変」などのスタジオヴォルンが担当し、監督をアニメ「ワンパンマン」「ALL OUT!!」などに携わってきた牛嶋新一郎が務めた。(編集部・小山美咲)