これ誰…?ニコール・キッドマン、美しさをかなぐり捨て衝撃の姿に
第43回トロント国際映画祭
現地時間10日、第43回トロント国際映画祭で映画『デストロイヤー(原題) / Destroyer』の上映が行われ、美しさをかなぐり捨ててボロボロになった主人公を怪演したニコール・キッドマンらがQ&Aを行った。
本作は、ある殺人事件をきっかけに、深い因縁のある凶悪犯が舞い戻ったことを知ったロサンゼルス市警の捜査官エリン(ニコール)の闘いをハードボイルドに描いたミステリースリラー。ニコールは一見誰だかわからないほど恐ろしい風貌になっており、その顔がどアップで映し出されるオープニングでは、観客が一斉に息をのむほどだった。
エリンがこんな姿になってしまったのにはかつての潜入捜査中に起きた出来事が関係しており、パートナー(セバスチャン・スタン)と共にまだ生き生きしていた過去と、ボロボロになりながらも恐れ知らずに一人で手掛かりを追う現在とが交互に展開していく。
撮影はカリン・クサマ監督(『イーオン・フラックス』)の提案で先に現在パートから始めたといい、ニコールは「うまくいくのかしら? と思ったけど、そういう時は状況に逆らわずにやることにしている。だって、わたしには俳優として何がベストなのかわからない。頭の中にプランはあるけどそれは大抵間違っていて、ただやってみる方がいいの。人生も同様ね(笑)。だからセバスチャンとのシーンは最後に撮ったけど、それで本当によかった。現在から始めたことで、わたしたちは過去のシーンに何が必要かわかっていたから」とコメント。確かに二人のシーンの美しさは際立っており、現在との対比に心を揺さぶられる。
また「(上映後のQ&Aに登壇するために)バックステージでラスト15分を観ていたら、『何てこと、これわたしなの?』って思った。夢のように思えて」と打ち明けて笑いを誘ったニコール。すさまじい怪演を見せた彼女は「本作をやれてうれしく思う。カリンが限界を破らせてくれた」と監督に感謝していた。(編集部・市川遥)
第43回トロント国際映画祭は現地時間16日まで開催