『ザ・プレデター』クレイジーで熱い!宇宙の狩人と戦うはみだし者たち
1980年代を代表する人気SFアクションシリーズの最新作『ザ・プレデター』(全国公開中)。強い生物を狩ることだけを目的とする異星人プレデターと人類の戦いを描く本作で、この最強の狩人に対峙(たいじ)するのが、はみだし者兵士たち“ルーニーズ”だ。
ルーニーズは、戦場の体験でPTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱え、グループセラピーで知り合った仲間たちで、愛情を込めて“頭がイカれた連中”を意味する名前が付けられた。メキシコでプレデターと遭遇した主人公の傭兵・クインが、政府によって拘束された先で出会い、共にプレデターとの戦いに身を投じる。
1987年に公開された1作目では、アーノルド・シュワルツェネッガーが演じる主人公ダッチを筆頭に、個性的でマッチョな特殊部隊員たちとプレデターの戦いが描かれた。『ザ・プレデター』のシェーン・ブラック監督は、この1作目で、俳優としてプレデターの最初の餌食となる兵士ホーキンスを演じており、「このキャストを通して、1作目へのラブレターにしたかった」と語る。
「プレデターに対峙する男たちを完璧なエリート精鋭部隊というよりは、はみ出し者の集まりみたいなグループとして登場させたかったんだ。心や身体に傷を負っている奴らで、踏ん張って自分たちを証明していかなきゃいけない連中に、ヒーローになるチャンスを与えたかったのさ」
その言葉の通り、ルーニーズの面々は、いつもヘラヘラ笑っている、頭に銃の傷を持つリーダー・ネブラスカ、湾岸戦争のトラウマを抱えたジョーク好きの兵士コイル、意味もなく突発的に下ネタを飛ばすバクスリーなど、個性的な連中ばかり。ネブラスカ役のトレヴァンテ・ローズは「ネブラスカは大尉だったが、間違った判断をしてチーム全員を死なせてしまった過去を持つ。その過去を背負って生きている時に、自分の家族を救うため、息子を救うために戦っている男に出会い、彼と協力することになる」と証言。本作が、クレイジーだが心の芯では情に厚い、男たちのドラマも見どころの一本であることを示唆している。(編集部・入倉功一)