生田斗真も絶賛!PFFグランプリは工藤梨穂監督『オーファンズ・ブルース』が受賞
「第40回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」の表彰式が20日、東京の国立映画アーカイブで行われ、工藤梨穂監督の『オーファンズ・ブルース』がグランプリに輝いた。この日は、18名の入選監督たちのほか、最終審査員を務める俳優の生田斗真、映画プロデューサーの佐藤公美、映画監督の佐藤信介、大九明子、冨永昌敬も登壇した。
529本の応募作品の中からグランプリに選ばれた『オーファンズ・ブルース』は、記憶が欠落してしまう病を抱える少女・エマの姿を描いたロードムービー。福岡県出身で22歳の工藤監督は、言葉を詰まらせながら「私は映画で希望を映し出したかった……それが受け入れられた……すみません。本当に嬉しいです。ありがとうございます」と受賞の喜びをコメント。この日は、主演の村上由規乃も助っ人に駆け付け「皆で(この映画を)作れたことは、本当に私の人生の中の財産だと思います」と語った。
同作について生田は「村上さんをはじめ、俳優陣のお芝居も本当に素晴らしいものだったと思いますし、今でも頭の中に主人公たちが生きているような感覚がしています」と絶賛。「監督は遺作かもしれないと仰っておりましたけれども(笑)。今後の監督の作品も絶対に観たいなと思っています。本当におめでとうございます」と会場の笑いを誘うと、18名の監督たちに「近い将来、必ず皆さんの時代が来ると思います。その時代に僕も乗り遅れないように頑張っていきますので、今後とも日本のエンターテインメントを頑張って背負っていきましょう」と力強いエールを送った。
そのほか、同じく審査員の佐藤監督は『山河の子』(コ・キョクトウ監督)、『川と自転車』(池田昌平監督)、『貴美子のまち』(芹澤麻有子監督)、『すばらしき世界』(石井達也監督)を称賛。審査員特別賞と映画ファン賞(ぴあニスト賞)をダブル受賞した『すばらしき世界』については「映画としての醍醐味を持った作品だなという風に思って、僕は大好きな作品でした」と振り返っていた。(岸豊)
受賞作品一覧は下記の通り。
【グランプリ】
『オーファンズ・ブルース』 工藤梨穂監督
【準グランプリ】
『ある日本の絵描き少年』 川尻将由監督
【審査員特別賞】
『川と自転車』 池田昌平監督
『19歳』 道本咲希監督
『すばらしき世界』 石井達也監督
【ひかりTV賞】
『オーファンズ・ブルース』 工藤梨穂監督
【観客賞】
『一文字拳 序章 ‐最強カンフー少年対地獄の殺人空手使い‐』 中元雄監督
【映画ファン賞(ぴあニスト賞)】
『すばらしき世界』 石井達也監督
【ジェムストーン賞(日活賞)】
『ある日本の絵描き少年』 川尻将由監督