『愛しのアイリーン』女優が来日!見つけた瞬間に監督「勝った」
22日、映画『愛しのアイリーン』でヒロインを演じたフィリピンの女優、ナッツ・シトイが来日し、吉田恵輔監督と共に、都内で行われた公開記念ティーチインイベントに出席。本作に出演する直前まで、役者の道をあきらめかけていたと語ったシトイは、「この映画を機にまた女優をやろうという気持ちになりました」と笑顔を見せた。
漫画家・新井英樹の代表作を原作に、42歳の独身男・岩男(安田顕)が、お見合いツアーで出会ったフィリピン人女性アイリーンと結婚したことで、故郷で巻き起こる騒動を描く本作。シトイは、吉田監督がフィリピンでひと目見た瞬間に“アイリーン”役だと確信したという逸材で、海外映画初出演にも拘わらず、日本の地で本作のヒロインを演じきった。
「最初に台本を見た時から引き込まれました」というシトイは、本作について「女優としてのキャリアを考えた時もすごく重要な作品だと思ったんです。セリフを全部丸暗記して、来日し、その後で日本語を勉強しました」と告白。日本の寒村での撮影は、見たことのなかった雪に驚いていたといい、吉田監督は「雪を見たいと(彼女が)言うから、雪といっても喜べない(量の)雪だよって言っていたんです」と振り返った。
そこでシトイは「自分の身長より高い雪でした」と照れ笑いを浮かべつつ、「一番大変だったのは雪でした。でも、ラストシーンのセリフの時は感情をどうやって乗せて演じればいいかなって悩みました」と演技面での苦労した様子。安田が演じた岩男に対しても、「自分はアイリーンとして岩男と恋に落ちていたと思います」とかなり入り込んでいたようで「撮影中はアイリーンだと思って生活していたので、安田さんがふだんの時(本番以外の時も)も岩男として見ていました」と紹介。
吉田監督の方はアイリーン役が見つかるか、オーディションの直前まで心配だったといい、「フィリピンにはタレント名鑑とかないから。見つけた時には俺、勝った! って思いました」とホッとした表情。そのシトイは、この映画を機に日本のファンの心もとらえた様子。舞台あいさつ後、劇場ホールでのファンとの交流では、彼女の明るい人柄にひかれてか、多くのファンが列に並んでいた。(取材・文:名鹿祥史)
映画『愛しのアイリーン』はTOHOシネマズシャンテほかで公開中