松坂桃李、時代劇に初主演!「居眠り磐音」映画化決定
俳優の松坂桃李が、作家・佐伯泰英の時代小説シリーズを映画化する『居眠り磐音』(いねむりいわね)で、時代劇初主演を務めることが明らかになった。3月にクランクインし、大分県杵築市や京都近郊での撮影を経て4月にクランクアップ。2019年 5月17日の公開を目指す。
原作「居眠り磐音 決定版」は、51巻を数える一大シリーズで、累計発行部数2,000万部を突破する佐伯の代表作。江戸を舞台に、昼間はうなぎ屋で働き、夜は両替屋の用心棒として悪と戦う浪人・坂崎磐音の活躍を描く。映画化にあたり『超高速!参勤交代』『空飛ぶタイヤ』の実力派・本木克英監督がメガホンを取った。
“居眠り磐音”の呼び名は、剣を構えた様子が「居眠りをしている猫のよう」と評されたことに由来するもので、人情に厚く穏やかだが、大切な人を守る為には颯爽(さっそうと)と悪を斬る。“時代劇史上最も優しい”主人公について、松坂は「穏やかで静かな空気を纏いつつ心の奥底に青い炎を燃やしている、そんな男です。年寄り猫のような磐音、彼の中で時間がゆっくり流れているような」と分析する。
その言葉の通り、公開されたティザービジュアルは、眩しい陽光の中、優しい眼差しでこちらを振り返る磐音の姿や、岩の上に腰をかけて猫とともに穏やかに佇む磐音の様子を写し出した温かなイメージ。松坂は「クランクイン前に殺陣や所作に加えて、鰻(うなぎ)捌きの練習をしてきましたが、非常に難しく心が折れそうになりました。本木監督はじめ、アクションチーム、京都のスタッフさん、共演者の皆様に支えていただき、何とか最後まで演じきることができました」と撮影を振り返る。
原作者の佐伯にとっても初の映画化となり、「私にとって映画化は初めてなら、松坂君にとっても時代劇初主演だそうだ。私はなぜか初物に強い。文庫書下ろし時代小説という出版形態を確立したのも私である(いささか強引過ぎるかもしれぬが)。これほどの『初物』づくしの撮影現場を京都の太秦松竹撮影所に見物に行った。何十年ぶりだろう、映画スタジオに足を踏み入れたのは。その瞬間、数十年の空白(日芸映画科卒業、撮影助手が最初の仕事だ)が掻き消えて、現場の高揚感と緊張感が私の身を包み込んだ。磐音役の松坂君も初々しかった。初物づくしの映画は、ビギナーズ・ラックを生み出すに違いない、そう原作者は確信している」と期待を寄せている。(編集部・入倉功一)