樹木希林さん葬儀、内田裕也との夫婦関係「計り知れない純粋さ」本木雅弘が語る
9月15日に75歳で逝去した樹木希林さんの葬儀・告別式が30日、東京都港区の光林寺本堂にて営まれ、樹木さんの長女・内田也哉子の夫である俳優の本木雅弘が、義理の母となる樹木さんへの思いを語った。
告別式の前に報道陣の前に姿を現した本木は「まだ落ち着いて振り返る余裕がない状態」と胸の内を語りつつも、逝去後、各メディアで樹木さんの人生が報じられていることについて「僕らが知らない樹木さんのエピソードがたくさん出てきて、まだ生きているような感じです」と不思議な感覚であることを明かす。
「春のうちに医師から『今年1年もつか、場合によっては2~3か月』と余命宣告されていました」と明かすと、そこから家族は、どう向き合うかを考え「思い出作り」も計画した。しかし樹木さんはあくまで「普通でいてほしい」と懇願。延命治療は望まず、痛みを和らげることに注力し、最期まで普段どおり貫いたという。一方で、終活に向けて「準備をはじめなければ」と春のうちに遺産や、葬儀の場所についても希望を述べていたという。
また本木は、8月30日に行われたイベントで、樹木さんが8月13日に大腿骨を骨折し、一時危篤状態だったことを明かしていたが、入院中、毎晩「(夫である内田)裕也さんに会いたい」と言っていたと看護師が証言していたという。
自宅で最期を迎えたときは、孫のUTA(雅樂・うた)と本木が樹木さんの手を握り、也哉子が懸命に話しかけるなか、本木は、内田からの電話を樹木さんの耳にあて、声を聞かせていたという。内田は「しっかりしろ」という声で樹木さんを励ますと、握った手に力が入ったようで、本木は「声は届いていたと思います」と振り返った。
内田は、樹木さんが亡くなった翌日に自宅に訪れ対面。「キレイだ。昔から美人だと思っていたんだ」と声をかけていたと本木は明かすと、樹木さんが荼毘(だび)に付された後、内田は遺骨から顎の骨を取り出し、ハンカチに包んで持ち帰ったという。
間近で樹木さんと内田の夫婦関係を見ていた本木は「ダイヤモンドの原石のような計り知れない純粋さ。二人しかわからないような情の通い方をしている関係」と表現すると、也哉子が「存在を認められていないのかと思うときもあったが、こうした夫婦の姿を見て、安心できた」と話していたというエピソードを明かした。
本木は「婿としてとても大事にしていただいた」と表情を曇らせると「誰に対しても常に何かをもたらせてくれる人。率直に感想を述べて、問題提起をしてくれ、人間に寄り添うことが好きな人でした」と故人を偲んでいた。(磯部正和)