樹木希林さん葬儀、1,500人が最後の別れ 吉永小百合・宮沢りえら多くの著名人参列
9月15日に75歳で死去した女優・樹木希林さんの葬儀・告別式が30日、内田家の菩提寺となる東京都港区の光林寺でしめやかに執り行われ、関係者500人、一般の参列者1,000人が樹木さんの死を悼んだ。
祭壇にはコチョウラン、菊、かすみ草などが波状に飾られていた。戒名は「希鏡啓心大姉」。樹木さんの名前から「希」、常々「役者は人の言葉をうつす鏡」と話していたということから「鏡」、そして本名(内田啓子)から「啓」の文字がとられたという。
生涯現役を貫いた樹木さんらしく、参列者も吉永小百合、浅田美代子、永瀬正敏、ドリアン助川、リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、城桧吏、佐々木みゆ、岸本加世子、岸部一徳、寺田農、田中麗奈、萬田久子、黒木華、松田美由紀、小林薫、YOU、内山理名、山本未来、松本明子、松村邦洋、安住紳一郎アナウンサー、中居正広、竹中直人、笑福亭鶴瓶、緒形直人、北大路欣也、薬丸裕英、布川敏和、宮沢りえなど、若手からベテランまで幅広い。最後は、夫・内田裕也の歌う「朝日のあたる家」をBGMにしながら、樹木さんとの別れを惜しんだ。
告別式に参列した俳優陣は、樹木さんへの思いをせつせつと語る。樹木さんの遺作『エリカ38』の主演女優・浅田美代子は「(共演作が)遺作と言われるのが本当に申し訳ない」と語ると、樹木さんの最期を「本当にきれいでした。体はやせ細っていましたけど、顔は本当に微笑んでいた」と明かす。
映画『東京マリーゴールド』やCMで親子役で共演した田中麗奈は「何もわからなかったわたしを時に厳しく、優しく温かく包み込んでくれて。どんな状況でも楽しむと言いますか。どんな時も何か面白いことがないかなと探されていて。予定調和にならないようにということを教えてもらった。今の自分としてお聞きしたいことがあったので、またご一緒したいと思う中でこんなふうに天国に行かれて、すごいさみしい気持ちでいっぱいです」と胸の内を明かした。
映画『あん』などで共演した永瀬正敏は「言葉にできないくらいにいろいろなものをもらいました。樹木さんからは幸せになってと言っていただきました。短い期間のお付き合いでしたが、すごい濃密な時間を過ごさせていただきました」と語るなど、それぞれが樹木さんに思いをはせていた。(取材・文:壬生智裕)