岡田将生、この役ができてよかった!落語シーンに充実の表情
俳優の岡田将生が5日、都内で行われたNHKドラマ10「昭和元禄落語心中」第1話試写会に出席。第1話を鑑賞した岡田は「自分が落語をしているシーンを観て、こっぱずかしい部分もありますけど、この役ができてよかったなと心から思いました」と充実した表情を見せた。この日は共演者の竜星涼、山崎育三郎、制作統括の出水有三、藤尾隆も出席した。
雲田はるこのベストセラーコミックをドラマ化した本作。戦争の時代を生きた落語家たちの姿や、芸の絆で結ばれた熱い友情、無二の親友の事故死をめぐるミステリーなどが展開する。落語の名人・八代目有楽亭八雲(菊比古)を演じる岡田は、本作を「品のあるドラマ」と感じたといい、「1年前にお話をいただいた時は、落語のらの字も知らないくらいで。どうなるのか想像できなかったんですが、落語監修の柳家喬太郎さんに教えてもらっているうちに少しずつ好きになっていき、今はドはまりしています」と明かした。
さらに「喬太郎さんに1対1でけいこをつけてもらえるなんて、こんなぜいたくなことはない」と振り返る岡田は、「自分が楽しくやらないとお客さんには伝わらない。だから落語を好きになろうということを喬太郎さんから教えてもらいました」とすっかり落語に魅了されている様子だった。
本作には岡田、竜星、山崎らによる高座のシーンが随所に登場する。数か月以上にわたる稽古を経たもので、本作の見どころとなるが、彼らの稽古に立ち会ったという藤尾は、「皆さん、大きな舞台を抱えていた合間をぬって、少ない時間であれだけの落語の演目を覚えてくれた。(正座をするため)足のしびれとの戦いだったと思うけど、日を重ねるごとに耐久性ができてきて。だんだんとへっちゃらになっていき、すごいことだなと感心していました」と述懐。
そんな寄席シーンの初収録について岡田は、「緊張するかなと思っていたんですが、稽古を長くしてきた分、自分に自信があったのかわからないですが……」とあまり緊張はしなかったそう。「八雲がやる話が笑いをとるような話ではないので、自分の中でも淡々とやらせてもらいました。その時のエキストラの方も話を聞いてくれたので、これがお客さんが入った時の感覚だなと実感した瞬間でした」と振り返った。
本ドラマの制作にあたり、原作者の雲田からは「ドラマとして自由に解釈して、創造力豊かに作っていただきたい」と言われたという。会見中には、本ドラマの衣装について称賛されるひと幕もあったが、出水は「雲田さんからは、落語家はカッコいいものだから衣装もカッコよくしてくれと言われました。それを念頭に、プロデューサーも監督も含めてアイデアを出していきました」とそのコンセプトについて語った。(取材・文:壬生智裕)
ドラマ「昭和元禄落語心中」はNHK総合にて10月12日22時より放送