『イップ・マン 継承』スピンオフでマックス・チャン「身の危険感じた」
第23回釜山国際映画祭
第23回釜山国際映画祭(以下、BIFF)でクロージング上映される『マスターZ:イップ・マン レガシー/Master Z:The Ip Man Legacy(英題)』の記者会見が12日、釜山シネマセンターで開催。ユエン・ウーピン監督、主演のマックス・チャン、共演のケビン・チェン、クリッシー・チャウ、パトリック・タム、リウ・イエンが登壇した。
BIFFのクロージング作品にアクション映画として初めて選出された今作は、『イップ・マン 継承』(2015)のスピンオフ。『マトリックス』シリーズや『キル・ビル』などでその名を世界に轟かせるアクション監督のユエン・ウーピンが、『イップ・マン 継承』で“詠春拳”の達人イップ・マン(ドニー・イェン)に闘いを挑んだ、チョン・ティンチ(マックス・チャン)のその後を描くカンフーアクション大作だ。イップ・マンに敗れたのを機に詠春拳を捨てたチョン・ティンチが、ギャングやドラッグの元締めらを相手に、死闘を繰り広げていく。
ドニーは今回プロデュースに回ったものの、『マッハ!』のトニー・ジャーや『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのデイヴ・バウティスタ、『グリーン・デスティニー』のミシェル・ヨーら、強者キャストが顔を揃える。
チョン・ティンチを主人公としたことに、ウーピン監督は「彼が完璧な人間じゃないところが気に入ったんだ」と説明。また『イップ・マン』シリーズの成功については「アクションとエモーショナルなドラマ、そしてディテールへのこだわりの融合が観客の心を掴んだんじゃないかな」と語り、「どの作品もヒューマニティが貫かれていることが大きい。今回のスピンオフも、ストーリーをどう発展させるかがすごく重要だった」と明かした。
そのウーピン監督が絶大な信頼を寄せるマックス・チャンは、「すべてのシーンの撮影がリスキーでした」と述懐。なかでも香港名物といえる看板を使ったアクションを「僕はちょっと高所恐怖症気味だから、最もハードに感じ、身の危険を覚えたシーン」と紹介しつつ、「一瞬でもタイミングがずれたら大惨事になる。計算され尽くした振り付けもワイヤーアクションも、ウーピン監督のチームならでは」だと胸を張った。
マックスの言葉を受け、ウーピン監督も「あのシーンでは安全性を考慮し、テストやリハーサルにかなりの時間を費やしたが、今までに観たことがないアクションができたと思う」と満足げ。「レスリングスタイルを取り入れたマックスとバウティスタの格闘シーンも、きっと新鮮に映るはずだよ」と自信たっぷりに加えた。
なお会見に先立って、BIFF関係者や多くの取材陣に見守られながら、ウーピン監督のハンドプリント・セレモニーが行われた。(取材・文:柴田メグミ)
第23回釜山国際映画祭は13日まで開催