千葉雄大、30歳目前にみせる「かわいい」だけじゃない魅力
「かわいい」を代名詞に映画やドラマ、舞台と場を問わず活躍を続ける千葉雄大。実年齢を感じさせない容姿を武器に、さまざまな役どころに挑んでいるが、石原さとみが主演を務めたドラマ「高嶺の花」でのダークな演技など、新たな顔を見せている。
まもなく30歳を迎える千葉は、バラエティー番組などでは、求められたかわいい仕草に積極的に応じたりするなど、独自の存在感を放っている。その一方で、出演した映画やドラマでは「かわいい」だけでない、さまざまな役に挑んできた。先日放送を終了した「高嶺の花」では、自身の目的のためになら人を裏切ることも辞さず、手段を問わない若き華道家という難役を演じ切った。
野島伸司が脚本を手がけた同作は、結婚式の当日に婚約者の二股交際が発覚し、破談となった名門華道家・月島もも(石原)が、商店街の自転車店店主・風間直人(峯田和伸)と出会い、運命の恋に落ちていくという格差恋愛を描いたもの。千葉が演じたのは、華道界において勢力を拡大しつつある新興流派を率いる野心家・宇都宮龍一だ。
黒のスーツに片耳にはピアスというルックスもさることながら、容姿端麗な男性が音楽にのせて花を生けるパフォーマンスなどの反伝統的な商法で新たな会員を取り込もうとする型破りな性格で、放送開始直後から千葉のギャップある役どころに驚きや称賛の声が多く寄せられていた。また、劇中でたびたび上半身裸を披露するなど色気のある姿も見せた。
そんな千葉は、10月18日からスタートする新ドラマ「プリティが多すぎる」(日本テレビ系)では主演を務めることに。タイトルのイメージに反して、千葉が演じるのは「カワイイを全く理解できない堅物な野心家」とのこと。文芸部から「原宿系ファッション誌」へと異動することになった千葉ふんする編集者・新見佳孝は、慣れない業界に入って悪戦苦闘していくことになる。
また、阿部サダヲと吉岡里帆が共演する『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』(公開中)では、阿部ふんする世界的カリスマロックスター・シンが所属するレコード会社の担当者・坂口を演じる千葉。事務所社長(田中哲司)に頭が上がらず、チョロくて弱くて情けないキャラクターで「かわいい千葉雄大」を堪能できそうだが、実はこの坂口はその見かけもすべて演技で、裏の顔を幾つも隠し持っているというクセの強い人物でもあるという。
さらに、北川景子や田中圭と共演を果たした『スマホを落としただけなのに』(11月2日公開)では、連続殺人事件を追う刑事・加賀谷役を担う。中田秀夫がメガホンを取る同作は、恋人(田中)がスマートフォンを紛失したことをきっかけに、不可解な出来事が主人公(北川)の周りで生起するさまを描き、現代の日常生活に潜む恐怖をあぶりだす。
ほかにも志尊淳が主演を務めた『走れ!T校バスケット部』(11月3日公開)など話題作への出演が続くが、以前からどんな役にも泥臭く挑戦したいと口にしていた千葉は、30歳を迎えつつある今、その言葉どおり多彩な役どころで着実に俳優として幅を広げつつあるようだ。(編集部・大内啓輔)