岩田剛典、車イスでの熱演で成長を実感
俳優の岩田剛典が24日、都内で行われた映画『パーフェクトワールド 君といる奇跡』大ヒット記念スペシャルトークイベントに来場し、車イスでの演技経験を通して「俳優としてというよりも人として学ぶところが多かった」と成長を実感したことを口にした。
有賀リエの人気コミックを実写化した本作は、初恋の先輩・樹(岩田)と再会したつぐみ(杉咲花)が、車イス生活を送っていた樹を支えることを決意し、愛を深めていくさまを描き出す感動のラブストーリー。主演を務めた岩田は、大入りの会場に「公開から2週間が経ちましたが、今日は映画の深い話ができればと思います」と笑顔を向けた。イベントには、岩田のほかにヒロイン役の杉咲、原作者の有賀、そして樹のモチーフとなった車イスの1級建築士・阿部一雄さんが来場した。
本作で、大学時代に事故にあって以来、車イス生活を余儀なくされる樹を演じた岩田。役づくりについて「作品として嘘をついてはいけない部分だった」と語る岩田は、スタッフとの綿密な動作確認を繰り返したうえで撮影に挑んだという。その岩田に、樹のモチーフとなった阿部さんは「いろんな映画やドラマを観ていて物足りなさを感じていました。だからこそ、この作品では『リアル感』を大事にしてほしいと言ったのですが、そこは非常によく描かれていたなと思いました」と絶賛の言葉を送った。
さらに車イスを押す杉咲の所作についても、阿部さんは「車イスを押すときの動きもよく研究したんじゃないかなと思うんです。押し慣れている感じがして。2人の息が合っているなと思いながら観ていました」と太鼓判を押す。岩田は「(本作での)経験は、俳優としてというよりも人として学ぶところが多かった」としみじみと口にした。
この日、タイトルにもある「君といる奇跡」にちなんで「最近、奇跡的だなと思ったこと」についてトークが展開されると、岩田は学生時代の同級生から連絡をもらったことを明かした。大学生のときにラグビーの夏合宿で脊髄を怪我してしまい、車イス生活を送っているという友人は「この映画が公開されて本当にうれしい。車イスのことやバリアフリーのことについて多くの人に知ってもらえる機会となった」と感じたそうで、岩田も「同級生と作品を通じてつながれたことは奇跡だと思うし、自分が関わった仕事で力になれたと実感できたことが僕にとっての奇跡です」と笑みを浮かべた。
そして岩田が「自分自身、初めて障がいと向き合い、多くのことを学んだ作品でした。自分にとっても大切な作品なので、多くの方に広めてください」と呼びかけると、会場から多くの拍手が送られていた。(取材・文:壬生智裕)