『寅さん』新作は2019年末公開!後藤久美子、浅丘ルリ子らも出演
映画『男はつらいよ』シリーズの新作映画製作会見が31日に都内で行われ、山田洋次監督、倍賞千恵子、前田吟、吉岡秀隆、後藤久美子、夏木マリ、浅丘ルリ子が出席。新作の仮タイトルは『男はつらいよ50 おかえり、寅さん』。公開日が2019年12月27日に決定したことなどが発表された。
本作は故・渥美清さんが主演したシリーズの『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇』以来22年ぶり50作目の新作。車寅次郎(渥美)の甥・諏訪満男(吉岡)と、満男がかつて思いを寄せた及川泉(後藤)のその後の物語となる。別々の人生を生きてきた二人を軸に、寅次郎の妹で満男の母・さくら(倍賞)、その夫・博(前田)、そして「くるまや」を囲む人たちを描く。
この日の会見には多くの報道陣が集結し、山田監督は「撮影が始まって何日か経っていますが、本格的にいよいよ始まるなという時にこういう風に記者会見をやってたくさんの方が来てくれて、興奮させられます。いよいよ始まるんだなということをひしひしと感じています」とコメント。
「思い返してみれば『寅さんに会いたい』ということをテーマにして僕たちはこの映画を作ってきたんだなとしみじみ思います。第50作目をこうして撮影できていることを大変幸運だと思いますし、これまでの作品に負けない集大成のような素晴らしい映画になればいいなと念じております」と続けた。
イズミ・ブルーナ役(旧作では及川泉役)で『男はつらいよ 寅次郎紅の花』(1995)以来23年ぶりに銀幕復帰を飾る後藤は、「みなさまご無沙汰しております。『紅の花』を撮り終えてから子育てに入り、そして今回またこうして山田組に呼んでいただくことができて、とても光栄に思うのと嬉しい気持ちでいっぱいです。私たちが敬愛する大好きな渥美清さんに思いを馳せながら、渥美さんの現場でのエピソードなどに思い出話を咲かせながら撮影を続けております。どうぞみなさまお楽しみに」と語った。
主演は渥美さんで、旧作の一部と新たに撮影するパートをミックスした作品になる今作の撮影は10月20日に都内ロケにてクランクイン。スタジオでのセット撮影、都内及び近郊ロケを経て11月末のクランクアップを予定している。(編集部・海江田宗)
<『男はつらいよ50 おかえり、寅さん(仮題)』のストーリー>
物語は諏訪満男の妻の七回忌の法要から始まる。柴又の帝釈天の参道に昔あった「くるまや」の店舗は新しくカフェに生まれ変わり、その裏手に昔のままの住居がある。法事のあと、ひとしきり昔話に花が咲く。寅がマドンナを連れてくるたび、家中が大騒ぎだったことなど……。あれからもう半世紀の歳月が流れたのだ。満男は、長い間サラリーマンをしていたがその合間に書いた小説が認められ小説家になっていた。そんなある日、満男の最新作の評判がよくサイン会をすることになる。ところがその列に並ぶ客の中に初恋の人、一度は結婚の約束までした女性、及川泉の姿を見て呆然となる。ヨーロッパで生活しているイズミは仕事で来日し、偶然サイン会に参加したのだった。イズミに再会した満男はサイン会もそこそこに「君に会わせたい人がいる」と小さなJAZZ喫茶にイズミを連れて行く。経営者の顔を見て驚くイズミ、それは20年以上前に奄美大島で会った寅の恋人のリリーだった。懐かしい人たちとの再会、そして思い返す寅さんのこと。それは満男とイズミにあたたかい何かをもたらしていく。イズミはその夜「くるまや」を訪れることになるのだが……。