『ラストエンペラー』巨匠ベルナルド・ベルトルッチ監督が死去 77歳
映画『ラスト・タンゴ・イン・パリ』『ラストエンペラー』などで知られるイタリアの映画監督ベルナルド・ベルトルッチさんが、現地時間26日にローマの自宅で亡くなったと、Varietyほか各メディアが報じた。77歳だったという。広報担当者によると、ベルトルッチ監督はがんを患っていた。
1941年生まれでイタリア・パルマ出身のベルトルッチ監督は、映画監督ピエル・パオロ・パゾリーニの下で助監督などを務め、1962年にパゾリーニ原作の『殺し』で映画監督デビュー。2作目の『革命前夜』(1964)でカンヌ国際映画祭で新評論家賞を受賞し、20代にして世界的な評価を受けた。
その後も『暗殺のオペラ』(1969)、『暗殺の森』(1970)など映画史に残る作品を発表。『ラスト・タンゴ・イン・パリ』(1972)では、大胆な性描写が物議を醸したが、主演のマーロン・ブランドと、ベルトルッチ監督はアカデミー賞にノミネートされた。
坂本龍一が音楽を担当し、清朝最後の皇帝・溥儀の人生を描く『ラストエンペラー』(1987)は、作品賞・作曲賞を含むアカデミー賞9部門で受賞。坂本はその後、『シェルタリング・スカイ』(1990)、『リトル・ブッダ』(1993)でもベルトルッチ作品の音楽を担当した。『ドリーマーズ』(2003)以降、体調不良のため監督作がなかったが、デビュー50周年となる2012年に『孤独な天使たち』を発表。2013年には第70回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で審査委員長を務めるなど精力的に活動していた。