『ドラゴンボール』野沢雅子、いつも悟空と一緒 愛され続ける主人公の魅力
国民的アニメ「ドラゴンボール」で主人公・孫悟空の声を担当する声優の野沢雅子が、劇場版最新作『ドラゴンボール超(スーパー) ブロリー』の公開を前に、世界中で愛され続ける悟空の魅力を、共に歩んだ日々と共に振り返った。
【動画】とんでもないバトルが展開!『ドラゴンボール超(スーパー) ブロリー』予告編
1986年のアニメ放送開始以来、30年以上にわたり悟空の声を担当してきた野沢。『ドラゴンボール超 ブロリー』は20本目の映画作品となるが、彼女自身は“節目の作品”ということに対して、「わたしは悟空ですから。20本目だなとしみじみ思うなんてことはないんですよ。いつだって絵の中の悟空と一緒に生活していますからね」とキッパリ。
30年以上を経てもなお、悟空は人々から愛され続けている。その理由について野沢は、悟空の人間性を挙げ「絶対に正義の味方でしょ。そういう一面って誰しもが持っているものだと思うんですけど、なかなか出せないじゃないですか」と語る。
「人間ってどうしてもカッコつけちゃうから。バカにされたくないし、笑われたくもない。照れて引っ込めちゃうでしょう。でも、悟空には照れなんかない。自分が思った通りに生きていますから。こんなこと言ったらみんなにバカにされるんじゃないかな、ということは一切ない。俺だって、あたしだってこういう生き方をしたいんだと、思うんじゃないかな。だから愛されているんでしょうね」
“伝説の超サイヤ人”ブロリーが、20数年の時を経て久々に復活する今回の劇場版。悟空、ベジータ、ブロリー、さらにフリーザをも巻き込んだ後半のバトルシーンは、息もつかせないほどの迫力であり、野沢の声も、年齢を重ねてなおパワフルさを増している。
アフレコでは、バトルシーン専用の収録日が設けられ、ブロリー役の島田敏は息も絶え絶えになっていたという。しかし野沢は「わたしは大丈夫でしたよ!」とこともなげ。「島田敏は普通に喋る役の方が多いですからね(笑)。アフレコが終わるたびに『敏、大丈夫?』と言いながら、あたし一生懸命背中をさすっていたんですよ。やはり皆さんそうなっちゃう。でもわたしは割と、静かな役をやることがないもんですから。けっこう平気なんです」と笑ってみせる。
「今回のアフレコではずっとバトルだけやっていたんじゃないかというくらい、バトルの印象が強くて。わたしも本数的にはだいぶ悟空をやってきましたけど、私の中では一番いいというか、今回のバトルは好きでしたね」
そう思う理由には、脚本を原作者・鳥山明が担当したことも大きかったようだ。「今回の作品が一番、鳥山先生らしさが出ていると思うんですよ。戦いをブワーッとやっている時に、ふとした拍子でコミカルになって。そこでホッとさせられる。それが大切なんですよね。さすが鳥山先生だなと思いました」と誇らしげに語った(取材・文:壬生智裕)
映画『ドラゴンボール超(スーパー) ブロリー』は12月14日より全国公開