山田孝之、雪かきや防寒対策に奔走 細やかな気遣いにキャスト一同感動
俳優の山田孝之が13日、自身がプロデューサーを務めた映画『デイアンドナイト』(2019年1月26日公開)の完成披露試写会に登壇。監督や出演者から、撮影現場で雪かきや防寒対策に駆け回り裏方に徹していた山田のエピソードが披露された。
本作は「人間の善と悪」をテーマに、大手企業の不正を内部告発した父が自殺し、帰郷した明石幸次(阿部進之介)が次第に復讐心を募らせていくさまを描く物語。舞台あいさつには山田のほか、主演の阿部、共演の安藤政信、清原果耶、田中哲司、藤井道人監督も来場。壇上に海岸線をイメージしたデザインが施され映画のシンボルである巨大な風車も登場し、山田ら登壇者がスモークの中から現れるというユニークな演出が行われた。
主人公・明石役の阿部は「長い時間かけて仲間のみんなの力を借りて今日この日を迎えられて嬉しいです」とコメント。撮影は2017年11月に秋田でクランクイン。その後、秋田市、鹿角市、三種町などで撮影が行われたというが、風車のある場所での撮影を振り返り「風車がある場所での撮影では風が強くてめちゃくちゃ寒かった」と苦笑い。
明石の父を死に追いやった大手企業の社員にふんする田中も「冬の秋田をなめてはいけないというくらい寒かった」と振り返ると、明石に手を差し伸べる児童養護施設のオーナー役の安藤は「寒くないよう山田君が気を遣ってくれて、実は寒くなかった」とコメント。山田は撮影中、常に防寒対策に奔走していたといい、「滝壺の中にお風呂があったりして、露天風呂みたいになっていて」と山田のアイデアを紹介した。
当の山田は「動いてないので僕が一番寒かった」と言うが、藤井監督も現場での山田のマメな一面に触れ、「山田さんが一番動いてくださった。皆さんのぶんの防寒具を買ってきてくれたり、率先して雪かきをやってくれたり」と裏方に徹した山田のエピソードを披露。山田は「ふざけたおじさんで通してきたんですけど、これで僕がすごくマジメな人だということがバレちゃいそうでまずい」と照れていた。
また、山田はプロデューサーと呼ばれることには抵抗があるようで、「プロデューサーと言われても何だかわからないでしょうが、わたしもわかっていませんが全体的にいろんなことをしました」とコメント。映画の主題歌「気まぐれ雲」のボーカルを、劇中の役柄である「大野奈々」名義で担当した清原のレコーディングにも芋ようかんの差し入れをもって訪れたといい、清原は「おいしくいただきました」とにっこり。
主題歌の作詞・作曲・プロデュースをRADWIMPSの野田洋次郎が手掛けたことも話題だが、清原は「野田さんから音源をいただいて、奈々のこれからが詰まった歌詞だと言われて、奈々の感覚を思い出しながら歌いました。緊張しました」とレコーディングを思い返す。「主題歌を歌わせていただいたんですけど、まだ実感がわいていないんです。わたし自身は音楽や歌は大好き。でもわたしが持っているものだけでは通用しない壁も痛感しました」と述べると、山田は即座にフォロー。「不安なかったです。すごくいい声されていて安心しました」と太鼓判を押していた。(取材・文:名鹿祥史)